鬼の祭りと-神霊-を
古沼田
第1話 鬼の祭りと-駒犬-を 起
※これはほぼ「鬼祭」の再アップ、再投稿です。
私は、小学校の頃、箱に触れてしまいました。
何故あんな禍々しい雰囲気を放っている箱を触ってしまったのか、我ながら疑問なのですが。
とにかく、触ってしまいました。
◾️◾️公園前、そこには、夏休みが始まってウッキウキな髪型ロング女子高生、私、崎音の姿があった。
「夏休み、何しようかなぁ」
私は後先考えないタイプの人間なので、夏休み友達と遊ぶ予定とかそんなの立てていません。
というより、友達なんていないのにそんなの立てれるはずがありません。
(自分で考えてて悲しくなってきたな……………喉乾いてきた)
悲しくなってても居ないもんはいないので、とりあえず喉の渇きを潤す事にしました。
「公園の水道、なんかやだからな…近くに自販機でもないかな」
この日、普段は全く通らない道を通って何故か遠回りして帰っていたので、まずは
自販機から探す事にしました。
「…あ!あったあった!えぇと、何飲もうかな」
「コーラ、サイダー、コーヒー…まぁ、緑茶でいいかな」
「……………………あ…バッグの中に水入ってたわ…」
自販機で無意味な緑茶を買ってからしばらく歩いていると、突如、鈴の音と共に大きな重低音があたり一体に響いた。
「え?!何?びっくりしたぁ…いきなり何よ、鈴の音は百歩譲って近所の子供が遊んでたとかでいいけど、あの重低音、スピーカーとかから発せられたにしても大きすぎし…耳引きちぎれるかと思った…」
私は自販機前から歩き始めた。
が、歩みを止めた。
「あれ?私さっき自販機で飲み物買ったあとから割と進んだよね…?」
なんだかおかしい気がする…。
さっきまで車の音や子供の声が聞こえていたのに、いきなり静かになった。
普段から周りが静かになることはあったけど、今回のは異様な雰囲気を放っていた。
目の前に大きな鳥居が見えてきた。
鳥居の先には、自販機があった。
「……??、あれこれさっきと同じ自販機だよね?売られてる商品も、ゴミ箱からはみ出たペットボトルの感じも…気のせいだよね?」
心なしか、周りの建造物も、さっき見たかも…という建物ばっかりだ。
「ていうかそもそも…遠回りしてるとはいえ家まで遠すぎない?全然通らない道だし、道間違えてんのかな…私」
そういいながら地図アプリを見るためにスマホを取り出した。
「…えっっっと」
地図アプリを開いて見ると、困惑した。
現在地を表すアイコンが変だった。
⚪︎⚪︎通りにいるかと思えば次の瞬間には△△通りにいる。
「おいおいおいおい!!地図アプリとしてあるまじきバグだろこれは!!現在地わからないならこの道でちゃんとあってるのか確認できないじゃん!」
スマホの画面がブラックアウトしてしまった。
「ねぇ!ついてよ!これじゃメールも電話もできないじゃん!」
いきなりスマホの画面に激しいノイズが走った。
びっくりしてスマホを投げてしまった。
「うぅわ!びっくりしたぁ!」
「…………これ壊れてないかな大丈夫かな」
そう言いながらスマホを拾おうとした瞬間、遠くから犬の唸り声が聞こえた。
「……犬?」
そしてしばらく歩いてまた鳥居の下を潜った
…またおんなじ景色だ。
後ろの方から大きな、固いものを破壊するような音がした。
咄嗟に後ろを見た。驚愕した。
後ろから、1匹の大きなな狛犬が迫ってきていた
「っ?!」
走った。これでもかというほど走った。
あの犬がなんなのかもわからないが、命が第一だ。
2週目の初めぐらいから、もう体力の限界が近づいていた。
後ろ見た、見なければよかった。すぐそこまで狛犬が迫ってきていた。
「っぅう!!普段からっしっかり体鍛えとけばよかったっ!」
「きゃあ!」
転んでしまった。
狛犬がゆっくり迫ってくる。
(どうしよう………そういえば……犬に緑茶は与えてはいけないって聞いた事ある気がする……………効くわけないよな…………でも何もやらずに喰われるよりかは?)
手に持っていた緑茶を犬にかけた。
犬は、走り去って行ってしまった。
(いや……助かったのは助かったんだけれど…緑茶かけたところで、あんなすぐ効くわけないでしょ…)
まあ、命は助かったんだからよかった。この緑茶のためにかけた私のお金も無駄にならずに済んだ。
私は、立ち上がってもう一度歩き始めた。
しばらく歩いていると、また鳥居が見えてきた。鳥居の奥の景色には…自販機はなかった。
「抜け出せた…………っぽい?」
そこからは、何事もなく家に帰り着けた。
「ただいまー」
家に帰ったら、手を洗ってすぐにベットに入りました。
————————————————第一話 終—————
鬼の祭りと-神霊-を 古沼田 @konuta_
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