タイチーロン(カリス&ライヒ)

希望と絶望の狭間


世界は絶望に包まれていた。

人々は争い、国同士の憎しみが止まることはなかった。かつての同胞は分裂し、互いに憎しみを抱くようになった。誰もが自らの正義を掲げ、相手を悪と決めつけた。そして、戦火は広がり、罪のない命が奪われ続けていた。


神「なぜ人間は争うのか?なぜ同じ種族同士で憎み合い、殺し合うのか…?」


神は地上を見下ろし、深いため息をついた。彼が創り出した世界は、すでに彼の手の届かないところにあった。


ロシア「おい、ウクライナ。お前は元々俺の一部だ。戻ってこい。お前は俺なしでは生きていけない。」


ウクライナ「嫌だ!お前とは決別したんだ!お前の支配のもとには戻らない!」


ロシアはウクライナに迫り、強引に力でねじ伏せようとした。だが、ウクライナもまた必死に抵抗を続けた。


神「愚か者ども…ならば、お前たちの国を滅ぼす。」


神の怒りが天を揺るがせた。雷鳴が轟き、大地が震えた。だが、なおも争いは止まらなかった。


ウクライナ「なぜですか!?僕は侵略されているんですよ!助けてください!」


ロシア「神だぁ?そんなものいるわけがない。俺が力を持っている限り、この世界の理は俺が決める!」


神「ロシア、お前のせいで世界はボロボロだ。」


ロシアは嘲笑した。「世界がどうなろうと知ったことか。俺の目的はお前を屈服させることだけだ。」


ウクライナ「じゃあどうして…?」


神「お前たちは元々一つだった。しかし、お前たちは線を引き、憎しみを生み出した。それが今の悲劇を生んだのだ。」


ウクライナ「そんな理由で…僕はこいつと縁を切ることも許されないのか?」


神はしばし沈黙し、それから冷たく告げた。


神「ならば、分かった。ロシアよ…消えろ。」


ロシア「やめろ…!うわぁぁぁ!」


(ロシア、消滅)


神の力によって、ロシアという存在はかき消された。その広大な国土にはただの荒野が広がり、そこに生きる者たちは困惑と恐怖の中で震えていた。


神「ウクライナよ、ロシアの領土を与える。だが、変なことをするな。」


ウクライナ「……分かりました。」


だが、ウクライナの心には疑念が渦巻いていた。この力を持つ神は、本当に世界の救済者なのか?それとも、新たな支配者なのか?


こうして、世界はまた新たな形に変わった。

だが、それが希望なのか、さらなる絶望なのか――


次回「希望の影」

シリーズ

絶望と希望




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