日本の味巡り - 47都道府県の美食探訪

第5話 福島 - 喜多方ラーメンとこづゆの味わい

次の旅先は福島県。しゅんは、全国的にも名高い「喜多方ラーメン」を味わうべく、喜多方市の老舗「坂内食堂」へと向かった。ここは創業数十年の人気店で、地元の人々にも愛され続ける名店だ。喜多方ラーメンは、独特の平打ち麺と透き通るような醤油ベースのスープが特徴だ。

ラーメンが運ばれてきた瞬間、スープの香ばしい醤油の香りが漂い、しゅんの食欲をそそる。まずスープを一口飲むと、豚骨と煮干しがベースの奥深い味わいが広がり、ほっとする優しい風味が口の中に広がる。次に、太めの平打ち麺をすすり、もっちりした食感とスープが絶妙に絡むのを楽しむ。しゅんはその独特の食感に「これが本場の喜多方ラーメンか！」と感激した。

続いて、福島の郷土料理「こづゆ」を楽しむために、会津地方の伝統料理が味わえる「田季野」へ向かった。こづゆは、ホタテの貝柱で出汁をとり、里芋、にんじん、きのこ、こんにゃくなど、山の幸と海の幸がたっぷりと入った汁物で、祝いの席などで振る舞われる特別な一品だ。

しゅんがこづゆを一口飲むと、ホタテの出汁がじんわりと効いていて、上品でまろやかな味が体にしみわたる。具材の一つひとつが柔らかく煮込まれ、それぞれの旨味が一つに溶け合っている。しゅんは、その優しい味わいに「福島の人々の温かさが感じられるな」と心がほっこりするのを感じた。

喜多方ラーメンとこづゆという福島ならではの料理を堪能したしゅんは、また一つ日本の美食の魅力を知り、次なる旅先に思いを馳せる。「福島の味も最高だったな」と、福島の街を後にし、旅を続ける決意を新たにした。