第3話 警察は不倫中
僕たちはまず警察に向かった。
大阪府警に着くとのんは、受付の女性に兄の事件を担当した今井刑事を呼び出してもらう事にした。
「源五郎さん。のんさんという人が来てますよ」
受付の女性が呼び出してから、しばらくすると今井刑事が来ました。
今井刑事さんは身長190cm以上の大柄で、髪は短髪で目はぎろっとしていて、顔はとてもいかつくここに子供がいたら泣いてしまう風貌をしています。少し柑橘系のにおいがするのは、この風貌でお洒落さんなのかも知れないです。
「今井さん。お久しぶりです」
のんがにこやかに近づいていった。
「お前。やっぱり来たのか」
今井さんは嫌そうに言った。
「まあ今回俺がいい出した事なので、これ渡すわ」
そういうと今井刑事は、事件の関係者の資料をのんに渡した。
「ほな」
今井刑事はそう言って立ち去ろうした。
「今井さん、待ったください。少しお話をお聞きしてもいいですか?」
「忙しいからなしだな」
「今井さん、浮気してますね」
そういう今井刑事にのんは唐突に言った。
「なにを言ってるんだ」」
今井刑事は明らかに動揺した。
「だって受付の女性が今井さんの事、下の名前で呼んでましたよ。受付の方の香水のにおいも今井さんさんからしましたし。それに結婚指輪を私が来て何か言われるのが嫌だから、今つけたでしょ。結婚指輪の下に日焼けしてますよ。不倫相手が近くにいるから、普段からつけてないでしょ」
「あーわかった。ちょっとだけだぞ」
そういうと今井刑事は取調室に僕ら2人を案内した。
◇◇◇ 今井源五郎の供述 ◇◇◇
俺は行方不明者がいると連絡があったから、現場に向かった。
するとそこにいる楽希さんとお母さんから、お兄さんの健人さんがいなくなった経緯について話を聞いた。
俺は遺書に青木ヶ原樹海と書いていたから、山梨県警に協力要請して健人さんの捜索をした。
だが彼の首吊りの遺体は見つからなかった。
また健人さんの部屋で遺書を見つけて、そこには会社のお金を使ったと書いていた。
健人さんの会社に連絡して調べてもらったところ、お金が健人さんによって使い込まれていた。
遺体が見つからず困っていたので、楽希さんにのんの事を教えた。ムカつくがのんなら健人さんの居場所を突き止めれると思ったからな。
簡潔に言うとこんな感じかな。
そういうと今井刑事はため息をついた。
「他に何かききたい事はあるか?」
「会社のお金は健人さんが盗んだ事で間違いないですか?例えば上司の人が盗んではいないですか?」
「ああ。健人さんがお金を使った事で間違いない」
今井刑事は確信を持った声で言った。
「健人さんはどこで会社のお金を使っていましたか?」
「大阪の梅田にあるキャバクラのピーチで1人のキャバ嬢に多額のお金を使っていたみたいだ」
「嘘やろー!!!」
僕は大きな声が出てしまった。
「まじだよ。キャバ嬢の遠藤美憂という女性に惚れ込んでしまったみたいで、かなりのお金を渡していたみたいだ」
兄の僕が知らない一面を見た気がした。
「その女、自分の親が病気とか言って、客からお金を取っていたみたいだ」
「最悪ですね。初心な男の人をだますなんて」
そういうとのんは僕を見て、少し色気を感じる笑みを見せた。
「監視カメラの映像や他の人の証言で、健人さんの後に青木ヶ原樹海に入られた人はいましたか?」
「地元の医者や看護婦や旅館の人、後は樹海に定期的に入る人が数人だな。あと自殺しそうな人が2人入っていったな」
「その人達が出てくる時、人が入れれる大きい物を持って出てきましたか?」
「そんな物は持ってないな」
「そうですか・・・。そうすると健人さんは生きていても死んでいても青木ヶ原樹海の中にいるということですね」
「最後にこの事件に犯人がいるとしたら、誰だと思いますか?」
「もし殺されてるとしたら、樹海に定期的に入る人の誰かだろうな。人殺している人も中にはいるだろうしな。ただ今回は自殺だと思うな。遺体が出ないのが謎だけどな」
「なるほど・・」
のんはそう言って、少し考え込んだ。
「わかりました。ありがとうございました。あと女性にあった後は串カツ屋さんに行った方がいいですよ。女性のにおいが消えるんで」
のんは椅子から立ちあがった後、満面の笑みを浮かべて今井刑事にそういった。
「うるさいわー。さっさと帰れ!!!」
今井刑事の大きな声が署内に響き渡った。
裏社会の闇を解決する探偵のん 犬兎ゆん @inuusagiyun
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