第16話
颯により無惨に散らされた『散り桜』。
重要文化財の価値が、一気に落ちていく。真っ白なシーツに無数の花弁を描きながら。
「は、はや....て、お....ねがい、キスして....」
「惟、惟っ─────」
背中に流れる赤をも厭わず、2人は互いの呼吸を絡め取るようなキスを交わした。
◊
颯の罪は、器物損壊罪、文化財保護法違反、そして、人身傷害罪。
占めて懲役7年の刑に処されることとなる。
惟の自由と引き換えに。
その後二人がどうなったかは、"彼"の作品に込めた想いが示してくれるものだと、"彼"自身願うのだった。
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『散り桜』
一本の老木から散りゆく赤い花弁が、
今風と共に自由を求めて飛び立つ。
作:吟鳴
(了)
無情の知、けせらせら 由汰のらん @YUNTAYUE
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