*竹を割ったよう【2024/12/19】
竹を割ったような性格だと、良く言われる。
確かに自分が美少女神であるのは事実だが、面と向かって言われると照れるものだ。
「何言うとるん? アホなん?」
そうして鼻高々に胸を張っていれば、相方が心底馬鹿にする様な目でこちらを見てきた。全く失礼な奴だ、褒めてきたのはそっちだろうと吼える。
「え? あぁ……もしかして竹を割ったようなの事言っとるん? なんでそれが美少女に……」
「――? かぐや姫みたいだね〜って事じゃないの?」
私が相方の問いに答える前に、同じ考えの主が口を開いた。全くその通りである。竹を割ったと言えば、かの有名な逸話のかぐや姫の他に無いだろう。
「んふふ、違うんよぉ〜。竹を割ったようなっていうんは、さっぱりした性格やねぇって事なんよぉ? 緋月はほんま可愛いんねぇ〜」
そうすれば、相方は途端に態度を変えて主を愛で始める。やいやい、何ヤタさんを放って二人だけの世界に勝手に入っているのだ。ヤタさんの事を忘れるな、ヤタさんを。全力で抗議だ。
「うるさいんよぉアホガラス」
あろう事か、表情までがらりと変えて、ぴしゃりと一喝。何なんだコイツは! 腹が立つ! 全く、何処までいっても不遜で不敬な奴である。頭に来ました、暴れてやる!
そうして、やって来た紅葉と十六夜に白い目を向けられるのはもう少し後の話なのである。
軌跡 祇園ナトリ @Na_Gion
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