第11話

***



 昔々あるところに、小さな村がありました。

 作物は枯れ、疫病が流行っていたその村の人たちは、村外れの祠に住み着いた邪神が災いの原因と、それを殺してしまいました。

 ですが、その神は邪神ではなく、村に降り注ぐ災いを抑えていてくれた神だったのです。

 神を殺してしまった事で、それまで抑えられていた災いは、一気にあふれ出しました。

 村の荒廃は一気に進み、誰ひとりとして、次の季節を迎える事が出来ませんでした。



 尚、神にとどめを刺したのは、とある退治屋の青年でした。

 村人達は彼の貢献を讃えて多くの報酬を用意しました。

 ですが青年はすべてを断り、そのまま村を去ったそうです。

 その首には、白く輝く羽のついた飾りが下がっていたとか――

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桃花の園に棲まう邪神と、妖怪退治屋の青年の話 yomiasawa @aroga707

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