エピローグ
それから2か月後、真澄と智子の結婚式が行われた。そこには2人の家族をはじめ、中学校のクラスメイト、真澄の職場の仲間がやって来た。
「それでは、新郎新婦の入場です!」
その声とともに、音楽がかかり、真澄と智子がやって来た。2人は拍手に包まれた。2人はとても嬉しそうだ。見ている人も嬉しそうだ。中には泣いている人もいる。いろんな日々があったけど、やっと2人は結ばれた。
そんな中、真澄は思った。この中に、照之がいたら、嬉しかったのに。
「智子ちゃん、おめでとう!」
「お姉ちゃん、おめでとう!」
「真澄、かっこいいよ」
参加者のいろんな声が飛び交う。そして2人は、ウェディングケーキのある場所にやってくる。
歩いていくと、真澄はある参加者を見つけた。照之だ。幽霊となっても、ここに来たようだ。智子は、そこに立っている人が気になった。参加者の名前にはなかったのに。まさか、この子が照之だろうか?
「来ちゃった・・・」
照之は笑みを浮かべた。2人の結婚を、照之も喜んでいるようだ。そして、真澄はここのの中で声をかける。来てくれたんだね、ありがとう。これから幸せに暮らすよ。
2人はウェディングドレスの後ろに立った。すると、音楽が止まった。真澄のスピーチのようだ。
「えー、今日は起こしいただきまして、誠にありがとうございます。2人はネットで知り合いました。智子は引っ込み思案で、外の世界に出る事が嫌いでした。ですが、僕と出会って、変わる事ができました。そして、成長する事ができました。これからは、智子だけではなく、互いに成長できるように頑張っていきます。きっと、弟の照之も天国から喜んでくれているでしょう」
照之が縁を作ってくれた2人。これからも末永く一緒にいられたらいいな。きっと、天国から照之が見守っているだろうから。
大きな拍手が起こった。そして、参加者は酒の入ったグラスを高く上げた。これから乾杯をするようだ。
「おめでとう! 幸せにしろよ!」
「2人の結婚に、カンパーイ!」
「カンパーイ!」
そして、2人で生きる人生が始まった。引きこもってから10年以上、ようやく智子は幸せを手にする事ができた。だけど、幸せはそれだけでは終わりじゃない。子供が生まれて、永遠の愛を貫き通して、永遠の眠りに就いた時が終わりなのだ。それはいつかわからないし、考えたくもない。だけど、今生きているこの時を全力で愛し合おう。きっと照之も応援しているだろうから。
Reality 口羽龍 @ryo_kuchiba
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます