第7話 陽性反応
2019年11月15日
どうも身体が調子悪い。
よく食べるものが、ワカメになった。
あれ、おかしい。
2ヶ月生理が来ていない。
そうだ、2ヶ月前に自分は暴力されて
強姦されたんだ。
デリヘルの出稼ぎ先でグルになった
ホストらしき人に…
急いで妊娠検査薬を買った。
そうだ、やたら眠いのも、風邪っぽいのも
考えたらおかしい。
尿をかけると、すぐに陽性反応が出た。
私だけの身体ではなくなった日だった。
メンタルクリニックに話をして
私は産む気持ちがないことを伝えると
今の薬を飲み続けてほしい、と言われた。
承諾して、後日私は血圧が150以上行ってしまい
婦人科に運ばれた。
5週だった。
なんとなく見える、小さな身体。
私が母親になる?
申し訳ないが、主人の子以外は愛せる自信が全くなかった。
主人も私の身体を分かっていた。
許せないと手が震えていたのを覚えている。
最初は養子縁組にしようとしていたが
何度も何度も婦人科に行って
15週に突入していた。
しかし成長が明らかに遅かった。
10週目くらいの大きさだったのだ。
しかしお腹は膨らんでいく。
当時キャバクラにいた私は
事情を話して辞めた。
お腹が目立つと苦労をするから。
あと、お酒がダメになったから。
そんな月日が流れ
2020.2.11
破水が起こった。
尿ではない、大量の水だ。
そこから陣痛が始まった。
10分に1度の激痛。
感覚が短くなってきているのが
何も知らない私でもわかった。
そして夜中3時半
トイレで産み落とした。
出血が止まらず、私はRh-で怖くなり
救急車を呼んでかかりつけ医に運ばれる。
「完全流産」となり
1日だけオムツ生活の、入院になった。
「帰らせてくれ」と嘆く私に
医師は「死にたいの?」と怒鳴る。
そりゃそうだ。だけど
私が望んだ妊娠では無かったから
とにかく死んでもいいから
帰りたかった。
当時、主人とは籍を入れていないが
待ってる人がいるからと告げ
無理やり退院した。
待っていたのは主人だった。
「頑張ったね」
じゃあ、着いてきてよ…と思いながらも
当時の主人は免許だけで車がなかった。
仕方ないと飲み込み
「ただいま」と帰った。
その年に、私たちは結婚した。
過去の事、仕事、全て受け入れてくれ
私も受け入れようとして、婚姻届を書いた。
今、幸せなのか?と聞かれたら
正直、分からない。
でも、心強いのは確かで。
上手くまとめられないが
生涯この人について行こう
そう思った。
EVIL 柊 こころ @viola666
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