第4話 アバター

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「...その様子だと まだ名前も決めてなさそうだな」


「は、はい まだ決めておりません」


「ならば今ここでABOの世界で名乗る名を考えろ アバターはランダムだからな」


名前か...流石に本名は悪いだろうし...


「ではシホにします」


下手に変な名前を付けるよりかは良いだろう


「シホ...か 良い名前だ。それとアバターだがここでやる事も可能だ。どうする?」


ここでやれるならやってしまうか


「はい、やります。」


「では行おうか。多少の浮遊感や違和感が生じる場合がある。準備しておけ」


「YES mam」


その瞬間 突然浮遊感に襲われ目の前が真っ暗になる


意識を失ったとかではないみたいだ


『アバター制作を始めます 性転換システムは使用なさいますか?』


「いいえ」


『承知しました アバター制作を開始します』





「...視点は特に変わらないか?」


身長は特に変わらず 変わった点と言えば...


「これを使って確認してみろ」


教官が手鏡を渡してくれる


「ありがとうございます 教官」


教官から渡された手鏡を使って自分を見てみる


「ふむ...」


青く澄んだ目に白髪 そして現実より髪が長くなっている


今まではショートカットやウルフだったのがポニテに出来るくらいだ


「他に変わった点は...」


「ふむ...先程より表情が柔らかくなっているな」


「表情...?」


「さっきまではまるで貴族御用達の鉄仮面のようだったが今ではちゃんと表情が表に出ている。」


「そうなんですか...」


自分のことだと言うのによく分からないものだ 今まではそんなに表情が硬かったのだろうか?


「だが前と変わらず真面目で堅物な印象を与えるのは変わらないな」


真面目で堅物か....確かによく言われたことがあるな


「さてこれでアバター制作も終わった 今回のチュートリアルで得た刀とハンドガン...正式名称を言ってもお前は分からなそうだしハンドガンのままでいいか...それらはお前が持っていくといい」


「...いいのですか?」


「ああ、それとこれもやる」


「これは...」


教官に渡されたのは迷彩柄のフード付きマントだった


「森林とかではこれを羽織っておけばかなりバレにくくなるだろう。ちゃんと有効活用しろ」


まだ出会って1日も経たないのにこんなに餞別を...


「ありがとうございます!!教官!!」


「...なんて事ない。早く行け。次来るのは明日だ」


こっちに背を向けそう言う教官...


「はい!明日もよろしくお願いします!!」


私はそう言って訓練所を出た



「...ああ、待っているぞ。シホ。」




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アーツバトルオンライン ダイナマイト山田 @dynamiteyamada

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