第2話 彼が本当に好きな子

「……の隣にいる、君」

「えっ」


 やれやれ。

 やっぱり彼に愛されていたのは……。




「わんっ!」


 名前を呼ばれた直後、私は鳴いた……というか吠えた。


 はあ?

 何言ってんのよ、あなた!

 違うでしょ!


「いやそっちかい!」


 もう、お姉ちゃんをガッカリさせるなんて……と思っていたら。


「……の隣にいる、君」

「えっ」


 でしょうね。




「あ、あたしも……」


 ああ良かった。

 本当に愛されているのが私じゃなくて。

 大体、私の恋愛対象は犬だし。


「あなたのことが、ずっと……」


 ここから先は、さすが我が御主人。お姉ちゃんは自分の気持ちを、はっきり彼に伝えた。そして二人は結ばれ、めでたしめでたし。


「わんわん!」

「おおっ!」

「どうしたの、メアリー?」


 お幸せに、ってこと!

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幼なじみが好きな子は……。 卯野ましろ @unm46

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