ひとりかくれんぼをやってみたら

死にたくない！（2）

「……い、おーい、」誰か俺を呼んでる？

恐る恐る目を開く「坊主、目 覚めたか？」

ヒエッというよく分からない言葉を発し

掃除用ブラシを手に取る「ち、近づくな！」

そうだ、ひとりかくれんぼを終えるためには

塩水を口に含んでかければよかったよな？

急いで塩水を口に含んでかけるすると人形が

「オェッ、くっせぇ うおぇ」と苦しんでる。「くっせぇなぁ、何すんねん！殺す気か」

次はエセ大阪弁で喋ってる なんだこれ、夢？

夢なのか？「お前なぁ、こっちは お前の

目を覚まそうと 色々してやったのによぉ

恩人に 口に含んだ水かけんなや」今度は

ふえっという言葉を発してしまった。

「まず、なんか言うことあるんちゃうの？」

人形から聞こえる男性の声は別に怖い訳では

ないが圧がすごい「も、申し訳ありませんでした」自分でもなんでこんなことしてるんだ

と思いながら人形に土下座する「分かれば

よろしい。」わかればよろしいって、何様だよ！と心の中で不貞腐れる。「お前には

色々聞きたいことあるねんけど……、

まぁええわ とりあえずお前の部屋連れてってくれや」断りたいが断ることが出来ず渋々

ビニール手袋をつけ 袋にてきとうを移し

部屋に運んだ部屋の中に入れた瞬間

「うわぁ、暗っしかもほこりっぽいなぁ。

しっかり換気しなあかん」と文句言われ腹が立ったがこらえる「お前 こんな夜中にひとりかくれんぼって……どんだけ暇やねん。

良い子は寝る時間やろ」良い子ってもう大人だし「お前 名前は？」「えっと、純也です」

てきとうから聞いたくせにあまり興味なさそうだ。「ほな、じゃあひとりかくれんぼ

おわらせるか」と隠し持っていたのか

カッターを体から取り出した「まっ、まさか殺すわけじゃないよな？……やめてくれ！

まだ、死にたくない」まだやり残したこと

沢山あるんだ 例えば魔法少女 ゆめみるんの

録画全部見終わってないし。「はぁ？人を

なんだと思ってんだよ そんなことしねぇっつーの。」急にてきとうが素に戻った（？）

優しい落ち着く低音が出てきてえ？と思わず聞き返す。するとまたエセ大阪弁に戻って

しまった「純也、俺はまだ成仏なんか

しとうない。俺だってやり残したこと沢山

あんねん だから 手伝ってくれんか？」

何を手伝えって言うんだよ、てか早く成仏

してくれよ 色んな感情が混ざる。

ひとりかくれんぼをしてみたらまさかの

人形に入った魂の成仏を手伝わなくちゃ

ならなくなった。