ひとりかくれんぼをやってみたら

冬彩 桜月

死にたくない!(1)

何も上手くいかない全部、アイツらのせいだ

そう思っているうちに気づけば大人になって

引きこもりのニートになっていた。暇すぎて

スマホで動画を垂れ流し たまたま流れてきた

動画、ひとりかくれんぼに興味が湧いて

ボーッと眺めるラップ音がしたり物が勝手に動いたり観ているうちにこんなのただの編集だろと急に馬鹿らしくなりコメ欄を開いた

俺と同じことを考えてる人が多く

[こうはならんやろ][嘘乙www]などという言葉で溢れかえっていた。やっぱりなと

思いスマホを閉じた数日後 両親が旅行に

行くことになり留守の間 暇だという理由で

ひとりかくれんぼをやることにした。

ぬいぐるみを用意し綿を抜きだす米と自分の

爪を詰め赤い糸で縫う 塩水を用意し完成し

家中の電気を全部消した。その後水桶に水を張り「最初の鬼は純也だから」と3回唱えテレビを砂嵐状態にし目をつぶって10秒数えて

カッターで「てきとう見つけた」といい

刺した。水の張った浴槽に移し「次はてきとうが鬼だから」と言い押し入れに塩水を持って隠れた。ドクドクなる心臓の音のせいでさらに緊張する 本当に見つかったらどうしよう?という恐怖が面白い。数十分後何も無くつまらなくなりやめるために風呂場へ向かった「嘘……だろ?」なんと浴槽にてきとうの

姿はなかった。「はっ?なんで、桶にも入ってない」まさか、本当に俺を探しに行ったと

いうのか?ギー、ギーと何かを引きずっている音がするさっきよりも心臓の鼓動が早くなり嫌な汗が毛穴という毛穴から出てくる。

音がだんだん近くなる 逃げ場所がない 慌てて

風呂の扉の鍵を閉める。なんで、こんなことになったんだ?クソ、クソ……。音がピタッと止まる居なくなったか?と鍵を開けようと

するとビタっビタっと扉に赤い手跡が沢山

つき キャハハと笑い声がした。死ぬ?やだ

そんなのやだ こんなところで死ぬなんて

しかも死因がひとりかくれんぼしてて

人形に殺されたとか最悪すぎる。怖くて

目を閉じると扉が開きカッターを持った

人形が男性の声で「みぃつけたぁ」と

近づいてきた。「まっ、たっ、助けて……」

そして俺はそのまま恐怖で気を失った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る