私、人間だよ?信じて……!
【相手が見つかりました(Ken/男)】
「こんにちは〜」
『こんにちは』
「何してるの?」
『まったり』
あぁ、よかったぁ。今度はちゃんとまともな人だったよ……。
「まったり最高だよね〜w」
私もまったりしたい……残念なことに、とてもできるような状態じゃないけど。
『うん、最高だよ』
『そっちは?』
私は……
「計算してるよ」
『計算?』
「うん」
「修学旅行の班の会計任されてるから、資金計画立ててるの」
計算の量が多すぎて泣けてくる。行く場所についても調べなきゃだし。
『そっか、頑張ってね』
「ありがと〜」
これほど応援の言葉をありがたく感じる事、そうないと思うよ。
『いえいえ』
『ていうか、学生さんだったんだね』
「うん、そうだよ」
『何歳?』
「14歳だよ」
『そっか』
『ハルちゃん、そっちの天気は?』
「えっと……」
調べよう。
「天気は晴れ。現在気温は18℃、ちなみに朝は13℃だったよ」
朝の気温は、アラーム止める時に見たから覚えてる。
『そっか』
『ねぇ、ハルちゃん、AI?』
………。What? Why?
「え、違うけど……なんでそう思ったの?」
『受け答えが似てたから』
「そうなんだ」
『うん、AIに女性として話させた感じにすっごい似てる』
……これ、ある意味才能とも言えると思うだけど。
「……違うからね?」
『もし人間なら、これから“知らんけど”って語尾につけてよ』
「ん、おっけー」
えっと……
「知らんけど?w」
これでいいのかな……?うん、たぶんこれでいいはず。
『勉強は好き?』
「好きだよ、大好き」
「でも、あんまりできないんだよね」
3分経過。一向に返信が来ない。Why?
よくよく見直して、理由がわかった。……うん、これ、完全に私のせいだね。
「……あ。ごめん、知らんけど忘れてた。知らんけど」
『今のはすっごい人間ぽかった』
「だから、ずっとそうだって言ってるじゃん」
なんで信じてくれないの?シクシク……( ; ; )
『本当の人間だったらごめん』
……やっぱり信じてくれてないよぉ
『何の教科が得意?』
「国語だよ」
「一切勉強してないのに、一番高得点取れちゃうんだよね」
これ、皮肉にも程があるよね。
テスト勉強をしてる(ただし、前日夜と当日朝の教科書の流し読みに限る)理科と社会よりも、大好きな上に先取りしてた数学よりも、ずっと安定した点の収入源になってるんだよ?つらい……。
『それはすごいじゃん』
すごい……か。そう言ってくれるんだね、心ではどう思ってるのか分かんないけど。
『頑張ってね』
「ありがと〜」
やっぱり、応援の言葉は心に染みるもんだね。
『そういえば、修学旅行、どこ行くの?』
「定番も定番の、奈良・京都だよ〜」
『そっか、楽しみ?』
「うん♪」
『あ、ねぇ、あのさ……』
ん、何?
っていうか、今気づいたけど、もう知らんけどって付けてないのに(忘れていただけともいう)、普通に会話してくれてる。もしかして、やっと人間だって信じ——
『やっぱり、ハルちゃん、AIだよね?』
This is unbelievable!
信じてくれてないじゃん!
『危ない危ない、危うく騙されるとこだったよ』
もうこれ、どうすればいいのか分かんないんだけどぉっ……!๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐
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受験生ハルのランダムチャット日記 Mase. Kaoru @2731341
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