転生スキル持ちの旅日記

小鳥遊しの

第一の世界・アルカナ

プロローグ / 誕生

「ルエ!」

ちかくで、おおきなおとがした。こわい

「ぅゅー!」

しぜんと、くちからおとがもれだした。なんなんだろう?これは


「お父さん、奥様も赤ちゃんも無事ですよ!」

ぼくはなんなんだろう?よくわかんないけど、よくわかんない。けど、なんとなくいっていることがわかる…きがする


「ぅゅゅー!」

ただ、わかんなくてもすこしだけわかることがある



ちかくにいる、このふたりがぱぱとままで、いまこのしゅんかんにぼくがうまれたんだと






僕が産まれた日から10年が経とうとしていた。

それまでに分かったことは、父の名はアリア・フラインで、母の名前はアリア・ルエで父は冒険者で母は家で料理など家事をやっている。


そしてここからが本題だが、10歳になると〈判定〉を受けることができるようになるらしい。


〈判定〉というのは、人が神から与えられる特殊な技を確認するらしいが、判定をする際には自分自身にも大量の情報が流れ込んでくる為、10歳からじゃないと死人が出る事もあるそうだ。それこそ、年に10件ほど、年齢を偽って死ぬ人が出る。

 その人達は、毎回こう言ってるとのこと「俺は主人公だから!早く!やらないといけねえんだよ!良いからやれ!」とか言ってるらしい。馬鹿じゃなかろうか?そういう人達のことは〈憑き者〉と呼んでるとのことでそのあとその家族は冷たい目で見られるらしい。家族の方が可哀想だと思わないのだろうか?


 そして、判定を一度でも受けると、自分自身の能力を確認できるようになる。人のは見れないが、お父さんがどういうものかを教えてくれた。

曰く、目の前に自分自身の力が全て書き込まれた水晶のように透き通っている木の板のような物が出るらしい。不思議だ

 そこに、今までの経験が溜まると技が使えるようになるらしい。

 剣をずっと振り続ければ剣術、剣を使いあなたの取引を続けると剣技を手に入れることができるとのことで、あまり良い技を授かれなくても経験でどうにかなるとのことだ


 父も、最初は鷹の目というを使う人向けの技を授かったらしいが、剣が好きだったらしく剣を振り続けて剣技まで手に入れることができたとのことで、普通は何もないと剣術くらいまでしか取れないので、剣技まで取れた父はあまり良くない技を授かった人のヒーローの1人らしい。


ただし、神から与えられる特殊な技の中には普通の手段で得られないものも授かれる。


例えば飛行なんかもそうだ。

 人間は飛べないため、飛行などという経験を積むことができない故に入手する手段は最初だけだ。故に経験を積まない有用な技を持つ人は王宮に招かれることもあるそうな…知ったこっちゃないが



で、なんでこんなことを考えているのかというと、明日は10の月の28の日だ。

それは僕の産まれた日で、〈判定〉を受けるのは月の最後…31の日なので、もうすぐだからだ


僕も、夢くらいは見ている。

千年ほど昔、魔物を率いる王、魔王がいて、その魔王はこの大陸にある8の国の内6の国を滅ぼしたが、7つ目の時〈英雄〉という、その時にはあまりよく分かっていなかった才能を持っていた60歳の男が倒したらしい。


60年もの間森にこもって修行をしていたらしいが、長年の修行の末手に入れたスキルのうちの一つ、直感から異変を感じて国に戻ると魔物の軍勢と魔王に囲まれた王都を見て、倒そうと決意するとともに体の近くに光の粒が大量に現れ、そこからは多勢に無勢という言葉をなくしたように魔物を蹂躙し、勝利を収めたとのこと。まあ嘘か本当かは分からないけど


そんな英雄のような技を授かりたいと思わない人は珍しいだろう。勿論、僕も授かりたいと思っている





そんなことをたまに考えながら母の仕事を手伝っていると、〈判定〉の日が訪れた


 

———この日が、地獄の始まりとも知らずに











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転生スキル持ちの旅日記 小鳥遊しの @takanashi-sino

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ