第7話 大乱闘スラッシュシスターズ、開戦
ゲームが始まった瞬間、画面が一気に激しい戦闘の世界に変わった。俺のキャラクターと理沙のキャラクターが、それぞれのステージに立つ。無駄な動きは一切許されない。
(戦いはすでに始まっているっ!)
キラッ
「行くぞ、詩恩!」
理沙のキャラクターが挑発的に足を踏み鳴らし、戦闘の構えを取った。彼女はそのキャラクターを上手く使いこなしているのが分かる。技のタイミング、間合い、すべてが理沙の手の内にあるようだった。
俺は、慎重にコントローラーを握り、相手の動きを観察する。だが、理沙の攻撃は予想以上に速かった。
「くっ!」
画面越しに、理沙のキャラクターが鋭い蹴りを放った。その攻撃は間髪入れずに俺のキャラクターにヒットし、ダメージ(%)ゲージが一気に減る。
「おお、なかなかやるな」
俺は冷静を装いながら、すぐに反撃を試みる。俺のキャラクターが素早く回避し、ジャンプで空中に移動しつつ、反撃のチャンスを狙った。
「今だ!」
理沙のキャラクターが地面に足を着ける瞬間、俺はその隙を突いて、強力な攻撃を仕掛けた。キャラクターが大きな拳を振り下ろし、理沙のキャラクターに重い一撃を与えた。
「うわっ!」
理沙がちょっと驚きの声を上げる。それもそのはず、このゲームでは反撃のタイミングが重要で、間違えたら大きなダメージを受ける。だが、理沙はすぐに冷静さを取り戻し、再び素早い動きで距離を取る。
「ふ。まだまだ甘いよ!詩恩!」
理沙はキャラクターを素早く転がして、俺の背後に回り込んだ。反応が遅れた俺は、理沙のキャラクターに背中から打撃を受け、再びダメージをくらう。
「やばい!」
俺はすぐにコントローラーを握り直し、ガードを張りながら理沙の動きを見極める。何とか持ち直さないと、このままでは敗北が確定してしまう。
「絶対に負けられない!」
俺は必死に集中し、キャラクターの切り札のゲージを溜める。焦りながらも、ゲージが充填されるのを待った。理沙も油断していない、間合いを取ってこちらの動きを伺っている。
「今だ!最後の切り札!」
ついにゲージが溜まった瞬間、俺は迷わず切り札を発動した。キャラクターが全身を使って、強力な連続攻撃を繰り出す。画面が大きく揺れ、音楽が高鳴る。必殺技が理沙のキャラクターに直撃し、ダメージゲージが一気に赤く染まった。
「うおおお!」
俺は一気に追い込む。だが、理沙も引き下がらない。彼女はクールに画面を見つめ、冷静に反撃のチャンスを探している。
「負けないぞ!詩恩!」
理沙はキャラクターを前に飛ばし、すぐに回転攻撃を繰り出した。そのスピードと連携に、俺の反応が遅れる。回転攻撃がヒットし、俺のキャラクターはふっと浮き上がった。
「やばい!これで終わるかもしれない!」
その瞬間、理沙のキャラクターがさらにコンボを繋げ、俺のキャラクターを空中で追撃し始める。
「ちっ!まずい!」
俺は必死に空中での回避を試みるも、間に合わない。理沙のキャラクターが最後の切り札を放った瞬間、画面が光り、俺のキャラクターが場外に放り出された。
「うわ!やられたっ!」
俺のキャラクターがふっとばされ、敗北の画面が表示された。
「やっぱり強いな。理沙。」
俺は画面を見ながらため息をついた。理沙はにっこりと笑い、勝利の余韻に浸っている。
「ふ、ふふふ、詩恩。まだまだ楽しいのはこれからだよ!」
理沙が挑戦的に笑うその瞬間、俺は次の戦いへの決意を固めた。絶対にリベンジしてやる。今度こそ、負けるわけにはいかない!ーーー
裏では陽キャ配信者、表では陰キャの俺が、真の陽キャになる物語 @R-to-E
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