第4話

 小芝智也

 小芝、お前よくもやってくれたな。あれだけ仕立てに出て頭下げたのによ。いきなり俺の体に入り込んできやがって。次に意識が戻ったら俺は裸で会社関係の席のテーブルに大の字になって寝転んでたよ。つぐみとは離婚、つぐみの親からも俺の親からもぼこぼこに殴られたわ。会社関係なんて呼ばなきゃよかった。クビだよ。表面上は依願退職の、社内ならだれがどう見ても解雇だってわかる辞め方だよ。お前それで復讐したつもりか。お前は俺を殺したいんだろ? そうはさせてたまるか。俺から自分で死んでやる。いや、お前に殺されてもいい。そしたらお前も地獄行きだな。俺と一緒に地獄に道連れにしてやる。おい早く来いよブス。そんなんだから仕事も出来ねえし、女も取られるんだよ。死んで無敵になったからっていい気になってんじゃねえよ卑怯者。ぼけ。あほ。

 お前、地獄の詳細な描写して怖がらせようとしてたのかもしれんがそんな手に乗るかよ。仮に事実だったとして、もうこんな世界にいるより地獄に行った方が百倍マシだわ。

 おい、早く俺を地獄に連れて行けよ。そしたら獄卒どもと仲良くお前を無限の苦痛を味わわせてやるから。

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