Fail1 AZ-15–32《ハルミナ》。

第3話 AZ 15–32 ハルミナ星

「AZ 15–32。ハルミナ星……って何だ。」


 我のとなりに居るこの船の持ち主から、声を掛けられる。


「我は知らぬ。と言うか、お前さんの世界は、こんなもの作るのか。」


そう言い宇宙船とやらを指差す。


「世界が違うと技術水準もことなりますしね。」


「そうか。」


技術水準。我の世界はどのくらいなのか。それも確認したい……。


「と言うか、お前魔王だけど、役作ってるの?声とか。そもそもその下に、何が隠れてんだ?」


「姿を見せるときではない。ただ、口調は変えてやろう。」


 随分と無礼な奴だな。此処じゃなければ間違いなく消してたぞ。えっと……。種族は、獣人属か。犬……いや狼か。


「んで、その世界と星。AZ 15–32。ハルミナ星。スマートウィンドウにないのか?」


「ハイハイ。今調べますよ。」


そう言ったのはこの船の持ち主。名前を聞きたいがそれより先には星の説明を聞かないと。


「AZ《エーゼット》 15–32。ハルミナ星。

人間、魔族、エルフ。その他諸々が存在している星。魔界や天界も存在しているがそれは置いておく。世界首都。つまり、1番大きい王国があるのは、ヌヴェス大陸のほぼ中心。ガルメルトシア王国。今代、85代目。先々月に、神話生物の侵食が開始。」


「色々と突っ込みたいところはあるが、まぁ良いだろう。」


「そうだな。任務達成条件は?」


「神話生物の殲滅。国の再建。」


 国の再建なんぞ、一瞬で出来るから心配しなくて良い。どちらかと言うと、殲滅だな。物資が厳しくないのか?


「取り敢えず、もうそろ到着するから。準備するぞ。」


「あぁ。そうだ。名前なんて言うのだ?」


 単純に気になる。名前くらい覚えて置いた方が良いだろう。

 真っ先に話すのはこの船の持ち主……と思われる人。


「ネフェスト・ルーヴァ。種族は人間。21歳」


それに続くように獣人も話し始める。


「オルビスト・ナルビア。種族は、狼の獣人。」


2人が話終えたところで我も話し始める。


「エヴァルド・ハイドラ。魔王だ。」


結構この自己紹介は、インパクトが強いと自負している。しかし、それが通じるかは知らないから置いておく。


—— 一方魔王城では、


「魔王様が自ら戦場に……。我らも続かなくては。」


「良いんだよべつに、ウルス。」


 私は先ほどから騒ぎ立てている、ウルスにそう怒鳴る。意外と入ったようで、少しうろたえた。四天王だよ……君さぁ。


「もっとちゃんとしてくれ。」


「すいません。ネディスさん。」


 あぁ。本当に怖い。だけど、側近が1番怖いのかなぁ。ずっと側近やってたし。


「でもさ。あの方強いしいんじゃない?」


 そうだよね。魔王様強いし。ネディスの言う通りだ。



ウルス・ネディスの2人はそうずっと話続けるのであった。



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奇跡の世界救命団 ~ヒトが産み出した最悪の生物~ 小宮 アオイ @Aoi_Komiya

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