第12話
【陽香side】
ママの日記帳を閉じる。
これはママが亡くなる少し前に、私にくれたもの。
おじいちゃん、おばあちゃんにも、パパにも中身は内緒だよ?って言って、くれたんだ。
ママが亡くなってから、寂しくて少しでもママを感じたくて日記帳を開いた。そこにはママが私を産む前からの日記が書いてあって、ママの思いが書かれていた。
私のなかでママはしっかりしてて、強くて、なんでもできちゃう印象だったけど、日記を読むと、こんな風に思ってたんだ、とか、ママ意外に抜けてるな、て思うこともたくさんあった。
特に、ママと親しくしてた、陽ちゃんのことはよく日記に書いてあって、内容を見てもママ陽ちゃんのこと好きじゃん!てわかるのに、ママも、陽ちゃんも付き合ってたとは言わなかったな。
陽ちゃん彼女いたのかな?今は結婚とかしてるのかな?
なんとなく日記の全部はまだ読み進めていなくて、2人の行き先は知らない。
でもこれを読んで、陽ちゃんに会ってみたい!と思ったんだ。もしかしたら、私が知りたいことを知ってるかもしれないって思ったから…。
てか私の知ってるママは、よく回りから男勝りとか、サバサバしてるとか言われてたし、実際パパも同じようなこと言ってたけど、この日記読んだら全然そんなことないよね!?ママは小さい頃から私に、「大事なことはちゃんと言葉にして伝えなさい!」てうちの家訓かと思うくらい言われたけど、日記のママって全然そんな感じじゃなくない!?ママも普通の女の子だったんだなって思えて嬉しいけど、何かそう思うようなことがあったのかな?
ママのお陰で私は素直にそう言う風に育って、なんでも口に出しちゃうから小さい頃はいじめられたりしたけど、今では加減もわかるし空気も読めるもんね!
でもそのお陰で私は今理仁といれてるんだ。そこはママに感謝してる。
次に陽ちゃんに会ったらどんなことを聞こうかな。
陽ちゃんからもらった電話番号を見つめながらそんなことを考えていた。
拝啓、記憶の中の君へ 夢うつつ @tommyu-ho
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