ネコ耳は許される

 お昼休みの職員室…


「はいッ、先生。お弁当」

 

「お、いつも済まないねー、井上くん」


 自身の席にて中山先生が、きょうも彼女から手作り弁当を受け取りました。


 ところが、これまたいつものように(隣の空いたデスクに着き着き)ニャン子が、ジッと様子を見守ってくる一方、まもなく彼が、それを食べ始めたまでは良かったのですが、


「ん、この玉子焼き、少ししょっぱいね」

 

 だそうです。


「…あ、お砂糖とお塩を間違えちゃった。てへぺろ」


 ニャン子も食べてみたところ、そういう結論に。


「うん、でもいいさ。なにせ井上くんはネコ耳だからな」


 すると、


「そうそう、井上はネコ耳だからイイんだよ」


「うん、ネコ耳だもんな」


「なんたってネコ耳よね」


 近くのデスクの先生たちも口々に。


 かたや、奥のデスクの教頭先生曰く。


「なぜ、なぜネコ耳ならイイんだッ…」

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最強? 正義? ネコ耳男の娘! 七七七@男姉 @138148

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