ネコ耳は正義

 お、誰かと思えば、それはあのネコ耳コス女子…もとい、男の娘高生・・・・・の井上さんではありませんか。


 見れば、制服姿のまま。そう、実は彼女・・、お母さんに頼まれて、学校帰りに近所の商店街で買い物をしようというのです。


「…はい、じゃあ、マグロのお刺身。1000円ね」


 と、魚屋のおじさんが、その包みを渡してきたまではよかったのですが、


「あ、ごめんなさい。お財布が…」


 井上さんったら、どうやらお財布を、教室の机の中に忘れてきてしまったようです。

 

「ん、そうなの。じゃあいいよ。常連さんだし、今度また来た時に持ってきてくれれば…それに、なんといってもニャン子(井上さんのフルネームは『井上ニャン子』なのです)ちゃんは、ネコ耳だからねー」


「そうそう、ネコ耳は正義」


「うん、ネコ耳ならイイよね」

 

 なんて、他のお客さんたちも口々に。


 かたや、その光景を見ていた一青年曰く。


「なぜ、なぜネコ耳ならイイんだ〜ッ…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る