逆転生したら声優になりました〜なぜ、わたしは転生前の世界の自分を演じることになったのか〜

　声優として日々を送っている『如月　詩音』。
　彼女は元は転生者であり、かつて『ディメンショナリー』という異世界で、魔王軍と戦っていた女性騎士だった。
　そんな彼女の元に、『勇者転生〜鯖を食べて当たって死んだら異世界でした〜』こと、『転鯖』の女性騎士『キサラ・ギ・シオン』の役が回ってくる。

　詩音は驚きを隠せず、「え、なに、これ、転生前のわたし？」とつぶやく。
　興味津々でその役を引き受けるが、演じるためにはオーディションで勝ち残らなければならないと知り、不安に駆られる。

　「自分を演じるなんて軽い軽い」とタカをくり、勢い勇んでいた詩音だったが、心の奥底では「もしオーディションに落ちたらどうしよう」と不安がよぎっていた。

　その不安を抱えたまま受けることになった詩音は、『落ちたら、百年引きこもる…』と弱気になる。