蛍火
岸亜里沙
蛍火
華やかな蛍火の中を、
僕たちは駆け抜けた。
泥だらけになって、
日が沈んだ後も、
家に帰ろうともしなかった
少年時代。
虫取りに、鬼ごっこ。
川辺で釣りをしながら、
友達と笑い合う。
冷たい水に足を浸け、
木陰の静寂に隠れながら
ラムネの瓶の中を泳ぐ
ビー玉を眺めた。
なんの悩みもなく、
毎日が楽しかったあの頃。
二度と戻れない
真夏の残像だけが、
胸に鮮やかな火を灯す。
仕事で全国を飛び回る日々。
来年の夏、
僕は何処にいるのだろう。
蛍火 岸亜里沙 @kishiarisa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます