歪んだ愛で愛させて
ダイダライオン
憧れて
私、稲坂翠は普通に生きてきて、普通に過ごしていた、、はずだった。
え?なんでこんなことになってるの、、?
目隠しされ、後ろ手で縛られ、身動きが取れない状態なのである。
どういうことなのぉぉ!!
ー数時間前ー
私は仕事を終え、夜道を一人でポツポツと歩き、帰ってお酒でも飲もうかななんて考えていると、、
「そこのおねえさん」
何処からか女の人の声がしてきた。
なんだと思い、思わず振り返ると、、
「むぐっ、、んー、、!ん、、うっ、、」
え??何が起こった、、の、、?
ハンカチを、当て、、られ、、
そこで私の意識は途切れている。
ーーーーー
そして今である。
思い返してもよくわからなかったわ。
とにかく、拘束を解きたいのだが、これが全く動けなくされてんだよね。
とりあえず身を捩らせたりしていると、、
ガチャ
「こんばんは翠ちゃん♡ご飯持ってきたよ♡」
挨拶をしながら、おそらく私を捕まえて拘束したであろう女性が入ってきたのである。
「ちょっと、なんなんですか?あなた。拉致は犯罪ですし、私を捕まえる理由もわからないし、
てか、なんで私の名前知ってるんですか!」
ちょっと何この人、怖いし何したいのか分からないしで逃げたいんですけど、、
「いやねぇ私のこと忘れちゃったの?あ!そういえば目隠ししてたわね。忘れてたわ。今取ってあげる♡」
〝私のこと″?え?誰?知らない知らない
私が知らぬ間に恨み買ってたとか?それでもこんなことはしないでしょ
そんなことを考えていたら、目隠しを外してくれてたらしい。
恐る恐る顔を見てみると、、
「え゛っ」
そう私を拉致し、拘束した女の人は、私が高校の頃仲良くしてた友達に白坂波ちゃんだった。
高校卒業後、連絡はとっていなかったのだが、どうして私のいる場所がわかったのだろうか?
てか、まずなんで拉致されたの???!
まずい、色々と聞きたいことがありすぎて脳がキャパオーバーしてきた。
「久しぶり♡元気にしてた?私また翠ちゃんに会えて凄く嬉しいわ♡」
「あ、ははは、私も嬉しいよ、、、じゃなくて!
なんで、?!なんで私を拘束したりしてるの?!」
まじで意味わからないよ波ちゃん?!
そして何故お姉さん口調なの?!
「私ね、高校で少し孤立してて、翠ちゃんに声かけてもらった時凄く嬉しかったの!それでね私、翠ちゃんの優しさとか気の利く所とかが凄くかっこよく見えてきて、これが恋なんだって思ったの!」
「違うよ?!波ちゃん?!多分それは尊敬とかのほうだと思うんだけど?!」
「ううん、これはきっと恋だと思う!」
「んぐっ?!」
そう言いながらなんと私にキスをしてきた波ちゃん。私のファーストなキスが?!
「えへへ♡キスしちゃった♡」
「波ちゃんストーップ!!!なんでキスしたんだい波ちゃん!?」
ちょ、思ってたよりもまずいかもしれない、、
私は今夜無事に帰れるのだろうか、、
「あなたに憧れて」完
歪んだ愛で愛させて ダイダライオン @daidalion99
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