第6話 ヒモではない……はず

まほつかちゃんと悶々とした夜を過ごした日の朝

俺は目覚めた

農家の朝は早い、いや今は勇者だった


今後の展望を考えると防御力が欲しい

流石に布のふく一枚で出歩くような精神は持ち合わせていないのだ

それに横を見るとまほつかちゃんがいる

まほつかちゃんを守るためにも俺が前衛を勤める必要があるだろう


「という訳で防具を探そうと思う」

「はい!それが良いと思います」


村で物色を続けること少し

防具屋を見つけたのでお邪魔する


「いらっしゃいませ!何をお探しですか?」

「初心者でも動きやすそうな鎧ってない」

「そちらでしたらこちらの『くさりかたびら』なんかはいかがでしょうか」


早速試着させてもらう

うん、軽くて丈夫そうな一品だ


「いくらになる?」

「7500ゴールドになります」


うげえ予算オーバーだ

魔王の侵略のせいで物価のインフレが高騰してるとは聞いていたがここまでとは

無い物ねだりをしてみるも無いものはない。


「勇者さまこちら……お使い下さいますと」


まほつかちゃんの手に握られているのは一万ゴールドという大金だった


「これは?」

「ヘソクリというやつです」


えへへと笑いながら説明してくれる


「困った時に使いなさいとお母さんに手渡されまして」

「そっかありがとう」


ちょっとほろりときた

ここまで尽くされて俺は幸せ者だ

ここで店員さんがひらめいたのか提案があった


「今なら1万ゴールドにオマケで『俊足の靴』も2足、追加しちゃいますよ」


うーん……中々難しい判断だな

どうする…と言いかけた時


「勇者さまとお揃いの靴………」


まほつかちゃんの目がキラキラしてる

これは買ってもいいやつだろう


「買ったあ!!!!」

「毎度ありがとうございました」


ありがとうヘソクリ

ヒモじゃないぞ俺は

ちなみに元々の靴は下取りは避けてまほつかちゃんに収納魔法でしまってもらった。


▼▼▼▼▼


「ありがとうございます勇者さま♪」

「いやいや、まほつかちゃんのお金のおかげだからね」


天使のような笑顔を浮かべて喜んでいる彼女をみると今日も頑張らなくてはと意気込む


そうそう買った俊足の靴なんだけれどもサイズに不安があったがまほつかちゃんいわく自動で馴染んでくれる魔法がかけられているそうな


「今日の目標は目指せ!すらいむ1000体討伐だ」

「はい!どんどん狩りますよ♪」


靴の効果もあり昨日よりもすらいむ狩りが捗る

ここら辺のすらいむは全滅したのではないかというくらい倒したところで、まほつかちゃんがガス欠を起こした


そろそろ村に帰ろうという所で忍び寄る影があった



次回ゴブリン襲撃







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魔法使いちゃんと二人旅 @yukino44444

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