第5話 お背中?流しますね まほつかちゃん視点

勇者さまと拭きあいっこすることになった。

どうしてこんなことになったのだろう

元はと言えば私の提案なのだけども

一応理由はあるのですが


①勇者さまは女の子に慣れていなそうだったので耐性を上げるため

②勇者さまが悪い女に騙されないようにするためこれで満足してくれたらいいなあという希望

③私も年頃の女の子なのでそういうことに興味がないと言ったら嘘になる


「で、では失礼しますね」

「お、おう…」


まずは背中から失礼します勇者さま

タオルをおずおずと滑らせていく

背中おっきいですね、流石男の子です

ふきふきふきふきふきふき

一目見て鍛えられているのが分かります


「うお」

「大丈夫ですか?」

「いやさ、その水ってまほつかちゃんの水なんだよなあ…と」

「ん~ー~//勇者さまのえっち」


私のお顔は今、茹でダコのように真っ赤になっていることでしょう


まほつかちゃんの水………

まほつかちゃんの水………

まほつかちゃんの水………


勇者さまのお力になれた少しの誇らしさと多くの恥ずかしさで胸がいっぱいになってしまいます

そそくさと勇者さまの体拭きを終わらせてしまう、高速モードです


しゅしゅしゅしゅしゅしゅしゅしゅしゅ


「まほつかちゃん?」

「……あとはお願いします」


そういってお腹を差し出す

ちょっとヤケクソ気味かもしれないです


「んっあっ」

「すごい敏感なんだね」

「や、優しくお願いします」


勇者さまは私の言葉通り優しく撫でるように全身を拭いて下さった


どうやらえっちなことはしないみたい


そうこうして同じベッドで寝ることになった

宿屋の親父さんの計らいなんだろうけど少し恥ずかしさが勝ってしまったようで勇者さまに声をかける


「勇者さま…寝れてますか?」

「んー全然」

「えっちなことはなされないんですね」


実を言うと勇者さまが男の子だとわかった時点で覚悟は出来ていたのだが


「会って初日だしねー」

「その…ひとつ提案が……手を繋ぎませんか」

「いいよ」


お互いにドキドキしていたようで拭いたばかりなのに汗がびっしょりだった

どくんどくんと心臓の鼓動が伝わる


私は今どんな顔をしているのだろう

変なお顔じゃないといいな

これからも勇者さまとなら大丈夫

そうして私は眠りについた








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