第13話 また起こる

翌日朝一番にヨヨギカメラに向かった。


もちろん理由はスマホを買い替えるため。


前回の診療後はヘトヘトでヨヨギカメラに寄る余裕がなく、結局2日後になってしまった。


壊れたスマホがヨヨギカメラに預けっぱなしなのはいいとして、新しいスマホが手元にないのは大問題だった。


なんとかiPadとパソコンでやり過ごしていたが、電話に出れないのが社会人として致命的すぎる。


先週と同じキャリアのブースに並び、事情を説明する。


「一昨日契約の途中で帰らせていただいた者なのですが」


もうしわけないという感じで会釈すると、今確認しますね、と奥のパソコンに向かう店員さん。


手持ち無沙汰になり、すこしぼーっとする。


一昨日突然店員さんが倒れたのはなんだったのだろう…。


特に既往歴を確認したわけではないので、なんとも言えない。


だが数週連続で心肺停止の人が倒れているのなら話は違う。


そんなことがありえるのだろうか。






その時だった。


甲高い悲鳴が起こる。


一昨日と逆のブースで人だかりができていた。



一昨日と明らかに違うのは、人だかりの後ろに、逃げていく人間の姿を見たことだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

秋葉原のおいしゃさん! 沖伸橋 @tgf

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ