第1話 僕は矛盾している
僕にとって外に出るということは痛みを伴います。そう感じるようになったのはつい最近のことです。外に踏み出すと言うことは、誰かを殺して、誰かを生かすということと等しいと思われます。綺麗らしい桜も、楽しげな人々も、みんなが僕の敵に見えるのです。自分以外の人間は、ミミズやゾンビよりも不可解でグロテスクに感じられます。何を見ても目に滲みてしまうようです。僕にとって、目に入れても痛くないものなど存在しません。空気やアダルトビデオですら、等しく僕の目を、喉を、体を、痛めつけていきます。そして僕は、目に入れても痛くないような、そんな都合のいい存在を探して、今日も外の世界に足を踏み出すのです。
今日は始業式、気分は憂鬱ですが、いい夢をみたので、足取りは軽いです。
君に捧げる最上級の不幸 文綴言音 @ayatudu
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