第4話 いつも落ち着いてる細波さん

昇降口を出て校門の近くで待ってる人が居たのでに足を早める

イヤホンをして曲を聴き、待っててくれた紗夜の肩をに触れ声をかける

「待たせた、おい?行くぞ」

イヤホンを耳から外し、口を紡ぐ彼女

「そんな待ってないよ、ほら行くよ」

表情は硬いままだけどその顔は少し嬉しそうにしていた


コンビニに着いた俺たちはアイスコーナーに来た

アイスを2つ持ち、こちらに駆け寄ってくる姿を見て俺は声をかけた

「おい、奢るとは言ったが2つとは言ってないぞ」

「いや、奢る個数は言ってないから2つ良いかなって」

確かに個数は言ってなかったと思い、結局2つ買うことにした


コンビニを出て自宅の帰路を辿ろうとしたとき

首元に冷たいものを当てられる

「冷たっ!急になんだ?」

「はい、アイス、一緒に食べよ?」

そう言い先程買ったアイスの片方を渡される

「お前、それさっき買ったやつ」

「二人で食べたかったから、2つ買った」

心成しか嬉しそうに見えるのは俺の気のせいだと思いつつアイスを受け取る

いつも食べる思い出のアイス

歳をとってもこのアイスはいつも美味しかった


家の前に着きそれぞれ家に入ろうとする

家が隣にあるので紗夜いつも帰った後にすぐ俺の家に来る


扉に手を掛け家に入ろうとした瞬間、勢いよく扉が開かれる

中から一人の少女が現れ、俺に向かって全力で突撃してきた

「ぐっ!お前なぁ、俺が帰って来た瞬間にタックルするなよ」

「遅く帰ってきた兄さんが悪いんですよ?」

「学校終わったら早く帰ってきてっていつも言ってるのに」

そう言い俺に抱き付いたまま離れない少女


彼女は俺の双子の妹の凪

胸まで伸びた藍色の髪に背は俺と同じくらい

スタイルが良い自慢の妹

昔から物静かでよく俺に後ろから着いてくる奴だ

街とか二人で散歩してると姉妹に間違われる

そんなに俺の顔は男に見えないらしい、解せぬ


そんなことを考えてると紗夜が来た

「お前、いつもより少し遅かったな」

「やることがあったからね」

両親は海外に出張で俺と妹は二人暮らし

紗夜は家族が家に居るが偶にうちで晩飯を食べにくる


晩飯を食べ紗夜は家に帰った

風呂に入ろうとドア開けると先約がいた

凪が先に風呂に入っていた

ラノベとかで起こる展開が実際に現実に起こると感動してしまう

「悪い、入っているの知らなかった」

そう言い出ようとすると静止をかけられる

「い、一緒に入りませんか?」

顔を赤くして一緒に入ろうと言った

「恥ずかしいなら一緒入るとか言うなよ」

「い、いえ一緒に入りたいんです!」

一緒に入りたいなら仕方ないそう思い一緒入ったのだった


寝れないので今日もいつもしているネトゲをする

ログインしたらボイスチャットが来た

「お、待ってたよクモ」

そう言いこちら来る

「遅くなったウル」


こいつはフレンドのウルフ

本人曰く狼が好きなのでこの名前にしたのだそう

あだ名で俺はウルと呼んでいる

俺は苗字の出雲の雲からとってクモとしている


「聞いてよ、今日楽しいことあってさ」

「へぇ?お前が?」

「うん」

「授業のバスケで勝負して負けたら奢るってやつ」

「それで僕買ったから今度奢って貰うんだぁ」

なんとこいつも同じようなことがあったらしい

「奇遇だな、俺も似たようなことあったわ」

「ほんと?なんだか似てるね僕たち」

「そりゃ3年もこうして一緒にゲームしてんだから似るだろ」

「うん」


こいつと俺は3年の付き合いがある

お互い学生で趣味も合うため親友と言える


「あっ!ほらイベントのボス行くよ?」

「クモがいないと楽しくないんだから」

「はいはい、わかったから急かすな」

そうして俺たちボスを倒しに行くのだった


ボスを倒し終わる頃には深夜2時半過ぎてて流石に授業があるので解散した

解散する際に「夜更かしは程々にしなよ」と言われた

寝れないから夜更かししてんだけどなぁとは言えなかった


寝ようとしてもなかなか寝れないので

いつになったら寝れるんだと思いつつも俺は今日も無理やり眠りにつくのだった

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今日も寝ている狼さん 菱刈 @gutenMorge12

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