二度寝がしたい!!
カーテンの隙間から朝日が射し込み、ベランダにやって来たであろうすずめ達の鳴き声が聞こえてくる。その声に反応するかのように、ベッド上の塊がごそごそと動き始めた。
「ふわああああああああああ」
しばらくごそごそと動いていた毛布の塊から、大口をあけて欠伸する
「う~んんんんん」
ゆっくりと上体を起こし、大きく伸びをした迷輪豆は何度目か分からない大欠伸をしながら室内を見渡し始めた。
「ふわあああ」
しばらくの間、ぼんやりとした顔で室内を見渡す迷輪豆だったが、壁にかかった時計を見て驚きの表情を浮かべる。しかし、すぐに切り替えた様子でベッドに寝転んだ。
「まあ、いいか。たまには2時間の寝坊もあるだろ。それに今日は休みだからなんも問題はない。ってかめちゃくちゃ眠いから寝る!」
二度寝の体勢をとった迷輪豆だったが、
『せっかくの休日なのだから、今からしっかり起きて何か有意義なことをした方がよいのではないか』
そんな考えが頭を過り、天井をぼんやりと見つめる。その時、毎度おなじみの脳内悪魔が下品な笑い声を上げながら姿を現した。
「そんなことないって。休みの日は大体こうだろ?今日は二度寝もかまして、それからいつものように炭酸ジュースとポテチ食いながら、アニメ鑑賞と決め込もうぜ!それがゴウにとっての有意義な休日の過ごし方だろ?」
「確かにそうなんだけどさ」
悪魔の言葉に若干抵抗しようとしてみるが、確かに休日は二度寝こそしないが大体悪魔の言ったような生活をしている。つまり、それが自分にとって有意義な事なのではないだろうか、と迷輪豆は思った。
ただ、いつもの有意義な休日に二度寝がプラスされるだけ、何も問題はない。
自分を納得させるように何度も頷く迷輪豆だったが、すぐに首を傾げる。
………………。
…………。
……。
いつもならこれくらいのタイミングに出現する脳内天使がいつになっても現れない。
「……ぐおー」
と、なんか気のせいかもしれないが、盛大なイビキが聞こえてくる気がする。どうやら脳内天使も二度寝中、又は寝坊のようだ。
「よし。寝るか」
そう言うが早いか、迷輪豆はすぐに眠りに就いた。
ちなみに彼が目を覚ましたのは、20時を過ぎた頃だった……ただ二度寝しただけの休日。
「有意義な……一日だったな……」
真っ暗な部屋で……迷輪豆はポツリと呟いた。
迷輪豆ゴウの脳内天使と脳内悪魔 煤元良蔵 @arakimoto
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