第2回
「だって、あの時の少年が、そのまま大きくなっただけの人が写ってたから」
「俺のこと」
「そう。すぐ分かりました」
「俺、小学生の頃から、全然変わってないってこと?」
「いたずらっ子がそのまま大きくなった感じ」
「そう……」
蒼天は、首をひねった。
俺は、ほめられたのかな?
「あの時は、私が不安にならないように、いろいろな話をしてくれたんですよね」
「そうだった。ーーあの時って、お互い名乗ったかな?」
「はい。名乗りました」
「そうか。でも君の名前、思い出せない」
「それだけ、私を守ろうと必死だったんですね」
その子は、ニコツと微笑み、「私、
やれやれだぜ。
蒼天は、内心でため息をついた。
いくらなんでも、小学生の時に1度見ただけの子を、憶えてなんかないよな……。
「ーー私、この先のブティックで服が買いたいの。付き合ってくれます」
「もちろん」
と、蒼天は微笑んだ。
ーーそのころ待ち合わせをした喫茶店では、30分遅れてやって来た六本木朝美が、
「たかだか30分くらい待てない男なんか、こっちから願い下げよ!」
と、騒いでたなどとは、蒼天は知るよしもなかった……。
君はだれ? 北斗光太郎 @11hokuto
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます