鮮烈なる物語の始まり

娼館で育った子爵令嬢。そう聞くともしや幼いころから辛酸の限りを舐めて……とつい想像してしまいますが、どっこい。この物語のヒロイン、ニアナは娼婦達に愛され、幸せに育ちます。そんなニアナの結婚相手は、化け物のようだと恐れられている冷血公爵。そして訪れる鮮烈なプロローグ。どこか秘密を抱えるミステリアスな公爵ですが、ニアナはこの先きっと彼の孤独にそっと寄り添い、心を通わせていくのでしょう。なぜなら彼女自身が孤独と愛、その両方の深さを知っているのだから。決して明るく楽しいエピソードばかりではなさそうなのに、どこか暖かく柔らかさが漂う文面は、作者様の個性ならではなのでしょうね。一見冷徹、実は熱血のイケメンヒーローと、愛情深く苦境に流されず人生を諦めないヒロイン、これからの二人のタッグが楽しみです!