第4話 愛する人?


椿という男の人と

ホテルに向かう。


なんでこの人は

私を選んだんだろう?


と、疑問まで持ち始めた。


顔も悪くないし

スラッとした体型だし

モテそうなのに、なんで私なんだろう。


とか思っていながらも

お金が欲しかった。


そうだ、私は身体を売ってるんだ。





ホテルへ辿り着く。


「あの…金額指定してなかったですね。

おいくらなら…」


「これを渡します。」


渡されたのは封筒。

それも分厚い。


え?いくらあるの?




「100万円、あります。

るいさんでしたよね。

その100万円を渡す代わりに

約束してください。


本当に心から愛する人を見つけてください。」



そこから、椿さんと

少しずつ話した。


私の家庭環境が劣悪だったのも。


すると椿さんは

こんな事を言う。



「生きているだけで偉いんです。」


「辛かった人生、取り戻せるから

泣きたい時は泣きましょう。」




嗚咽をしながら涙を流した。


初めてだったから

こんな素敵な人がいるなんて。


ずっと、謝ったり感謝したりして

自分でもよく分からなかった。



何故だろう

連絡先は交換しなかった。





また、逢える気がしたから。


私が、ちゃんとしたら。

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公約愛 柊 こころ @viola666

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