新桃太郎伝説 クリア記念雑感書き散らし

泉 とも

第1話完走した感想ですね。

 新桃太郎伝説 クリア記念雑感書き散らし


 和風RPGという触れ込みだが当時は桃鉄3のRPGということで、発売時期は前後したものの購入したのが本作だった。漫画にっぽん昔話とポンキッキーズが身近だった筆者にとって、物語も親しみ易かったような気がした。が、数十年ぶりにスイッチをオンにしてみると、あんまり面白くない。不思議だ。ストーリーはそこまで悪くない。しかしなぜか面白くない。なぜって理由はあるんだけど、それは後述する。説教臭い内容はむしろ今日の世相に滅茶苦茶刺さるんだけど、どうにもバランスが良くない。他所と比較するのは良くないがこれの前年に、ドラクエ5が出ていたことを踏まえると、調整とは人間性の問題なのではないか、という気がしてならない。ともかく気持ちの整理をつけないので、読者の方々には申し訳ないが、このゲーム感想文に付き合って頂きたい。



 ストーリーについて


 前作桃太郎伝説にて、桃太郎と仲間たちがエンマ様たちを懲らしめた日から年月が経っている。桃太郎も立派な青年に、なってない。まだ少年のままである。ともあれエンマ様は改心したのだが、それはそれとして負けたので、鬼のしきたりに従い失脚。月の宮殿には鬼共が攻め寄せ、かぐや姫が攫われそうになる。という所から物語は始まる。


 駆け付けた桃太郎はしかし負けイベントの末重傷を負い、レベルドレインまでされて、故郷に戻ることになる。そこから再起し、仲間を集め、再び鬼たちの侵略に立ち向かう。基本的には諸国を巡り、行く先々で鬼の野望を打ち砕くという、ドラクエ4の勇者たちみたいな旅になる。


 きちんと物語や登場人物を把握すると、全体像を割と理解できるようにはなっている。攻略本に裏設定だの小説版を出しておきながら別世界ですだの、そんな要素は無いのでご安心。なのでこっちに不満は特にない。

       こっちには。



 キャラクターについて


 使用できるキャラ以外にもここで触れておくので、使用感という訳ではない。ただね、キャラの差別化が本当に差別なのはよろしくないと思うの。レベルアップ時にステータスはせめて最低でも1は上がって欲しいし、装備自体ができないなんてのも良くない。敵の攻撃が後半は増々苛烈になるのに、わざわざ致命傷を負い易くするのはね。それならまだ装備が被るとはいえ使っていける、仲間モンスターのほうがまだ見せ場がある。



・桃太郎


 ご存知本編主人公。自力では術を習得せず、仙人様に教わることで術を覚える。犬猿雉の三匹のお供が仲間になると、きびだんごと引き換えに、戦闘をサポートしてもらうビーストテイマーに変身する。攻撃力は装備も有って高め。硬い敵に何とかダメージが通るのは桃太郎が基準となる。一方で素早さは明確に遅く、敵の行動前に一掃することは、意外と難しかったりするし、敵に先制されることもしょっちゅうである。というかこのゲーム敵のほうが素早いことはザラで、先に殴られて危うい場面が当然のようにある。七夕の村で四神の刀を使うなら、素早さを補強しよう。他の数値のほうが大きいので、損したように見えるが、終始出ずっぱりの桃太郎の素早さは死活問題なので、惑わされてはいけない。



・スリの銀次


 希望の都の料亭のドラ息子。仕事道具を振り回して切った張ったをやるのは言語道断、と言いたい所だが、白刃飛び交い右も左も敵だらけの桃太郎世界において、そんなことは言っていられない。そこそこ素早く特殊効果のある武器を合計四つ装備できる。敵のアイテムを盗むこともできる。まあ後半は全部無価値なんだけど。とにかく目上なのに桃太郎を立てて、使い走りみたいなことまでしてくれる。勝手に離脱するのは困るが、困ったときには帰って来るから、痛しかゆしである。打たれ強いとは言えないがまだマシなほう。なお牛切り包丁の枠は最終的に青龍の刀になるが、銀次は装備の特殊性から自分の装備を選んで使うことができないので、道具として使う場合、ものふやしの玉で刀を増やす必要がある。刀五本差しとか何処の徳川だ。



・金太郎


 ご存知、というほど知名度が現在もあるか知らないが、今作随一のパワーファイター。新桃で真面に頼りになるのは金ちゃんだけである。硬い鬼にもダメージが通り、その高すぎる守りを引き下げる、相撲技の張り手がボス戦の要である。これが無いと浦島や夜叉姫の攻撃がほとんど通らない。なんだ相手の守りを100下げたって。どんだけ硬くしてるんだ。つっぱりは使わないが頭突きは金ちゃんのリーサルウェポンで、伐折羅王辺りはこれでフィニッシュになりがち。絶好調が死ぬほど頼もしく、HPの多さも相俟って、後半の二発殴られたら死ぬような攻撃に二発耐えたりする。はっきり言ってこのゲームは金太郎がいないプレイを想定していない所があるので、城での「オラの怪力がないと鬼退治がつらくなるど」は嘘でも何でもない。



・浦島太郎


 快足虚弱ヒーラー。風神との初遭遇で浦島を連れていると、吹き飛ばされた後の再加入が非常に遠い上に進軍も辛いので、できれば止めておいたほうが良い。ステータスは技と速さ以外は劣悪で、最初に浦島の村の浜辺の北端辺りで拾える銛、一足早く手に入る最強装備など、下駄を履かせるような形で当座を凌ぐことになりがち。間違ってもみなまんたんを覚えるまではラスダンに突入してはいけない。なお津波や大波を覚えると一転してアタッカーになるが、このゲームは先行が安定しないため、一番素早いはずの彼の出番が回って来ず、金ちゃんの行動後に敵が行動して殴られてと、頭を掻き毟りたくなるようなケースが多発するので、過信は禁物。三千世界、伐折羅王、カルラ戦を考えると、強力丹は彼と夜叉姫に三個ずつの計六個は欲しい。また守りの術も最初から最後まで必要になるので、代えの利く人材でないのが辛い。絶好調になると金ちゃんの張り手一発から物理面でも攻撃枠に移れる。



・夜叉姫


 龍神太郎ではない。これはアニメではないのだ。令和になって桃鉄で新しいイラストを貰い可愛さに磨きが掛かった。レベルアップ時の動きが可愛い。キャラとしてはジェネリック桃太郎といった感じで、おによけに掛かり切りになる彼のために、流星の術を使って出会う鬼を片っ端からブロックリストに突っ込むのが役目。何気に浦島と同じくレベル99までの必要経験値は少ない方である。心を入れ替えた矢先に待っているのがアホの大地とバラドルの洗礼なのだからかわいそうと言う外無い。流星以外の術は産廃もいい所でありふにゃらなどはボス戦で全く、通用しない。このためえんま様やましらが仲間になるとお役御免になることも。城のお風呂ですっぽんぽんになる小ネタがある。こんなドット絵で何をと思うかも知れないが、世の中にはドット絵のSD的な絵柄でガッツリR―18な作品を手掛ける人々も存在する。想像力や技術の話ではなくドット絵に性的な興奮と可能性を見出す人種がこの世にはいるということなのだ。想像力は無限大とはけだし名言である。



・ましら


 ほほえみの村のボスで倒すと城を築城した際に仲間になる。実は期間限定で、城を作ってからでは仲間にならない。また風神に吹き飛ばされた際、金太郎の村と微笑みの村にそれぞれ存在するという不具合があり、微笑みの村のほうは回収できない。金太郎の村のましらを仲間にすると消える。鍵盤を入力するという独特な攻撃手段は語り草で、内容を覚えていないと真価を発揮できない。また何故か武器を装備できないので、攻撃力もいまいち。しかしながらサポートに回ると途端に輝き始める。らしい。筆者は攻略サイトでいちいち鍵盤の情報見ながらやるのが面倒臭かったので使わなかった。ただ最初からみなせんたん相当の行動が可能ということもあって、えんま様の技が精魂尽き果てる寸前であることを踏まえると、レギュラー以外のキャラでパーティを組むと、回復薬は彼になるのかも知れない。



・あしゅら


 えんま様の部下の一人。桃鉄ではインテリヤクザとか二代目感漂う青年。裸足を強調しているせいで足防具を装備できない。そのせいで防御が低い。性能面は浦島を攻撃よりにしたようなキャラで、素の攻撃力だけなら桃太郎を上回る。何気にまどろみの術が風神雷神にはキラー相性となっており、開幕で風神の術を封じれば以降数ターンの間あの煩わしい削りを受けずに済むし、術一辺倒の雷神も黙らせることができる。また瀕死になると、彼専用の鹿角の術とでも言うべきバラ吹雪の術が解禁される。根性の玉を大量に持つか、弱ったらはらだしに庇わせるかして、瀕死を維持するのも一考の余地がある。余裕綽々に見えても結構熱い奴で、奈落の底でえんま様救出時の台詞は状況を考えるとだいぶ格好が良い。術はクセが強く安定感に欠ける。



・はらだし


 ふざけているようでこのゲームでは最強の壁役。ていうか壁。レベルの上昇が5レベル刻みで、成長には膨大な経験値が要る。また物理攻撃を無効化するのでえんま様を庇い、庇われたえんま様が二回行動で他二名を庇うと、全体物理無効という状態が完成する。しかし術が飛んできた場合はお察しである。終盤のボスがなんでこんなクソ強い全体攻撃を持ってるのに術なんか?というのはこいつ対策だと考えていい。しかしそんな状態でも上述のあしゅらのまどろみが刺さると、完全防御状態に持ち込めるので、二人の愛称は驚くほど良い。尻出し、もろだし、まるだし等の特出し系の術は動画でしか見たことかない。名前でピンと来るだろうが、へそだしの刀を装備可能である。



・風神


 神様です。鬼呼ばわりとは何事か。みんな薄々気付いているとは思うが、鬼連中は妖怪や鬼以外にも非仏教の神様たちのことも含めている。キリスト教にとって土着の信仰を悪魔と呼ぶなら、仏教にとっては鬼と呼ぶのである。伐折羅王なんか十二神将だもんなあ。だけど仏教系の神仏を仏教の敵にしちゃうって、思い切ったことしたもんだ。肝心の風神はというと、雷神のパワーアップパーツ。回復がせんきんたん止まり。せめてみなせんたんまでは欲しかった。技力が多く回復回数こそ多いが、全体の立て直しはできない。雷神が強化されるなら風神も強化されて全体回復覚えれば良かったのに。台詞も雷神とセットであり、二人一度に話していると考えると大分サマになる。風よ!嵐よ!雷よ!なお最強装備の黄泉のこしまきは貴重品扱いであり、ものふやしの玉で増やせないので、どちらか片方は割りを食うことになる。こういう罰当たりが積もり積もって、ハドソンを時の流れに押し流したんだろうなあ。



・雷神


 神様です。鬼呼ばわりとは何事か。風神がいると強力な全体攻撃の術が増える。いないと大して役に立たない。見た目に反して非力。豊富な技力で敵を薙ぎ払うが、如何せんこのゲームのバランスではそのうち息切れしてしまう。身も蓋も無いが、結局戦わないのが一番なのだ。何気に自分たちに非があることは分っているが、それほそれとして所属の掟には逆らえないとはっきり言って来る悲しい組織人でもある。それはそう。個々人の気持ちはどうあれ服務規定は変わらないのだ。そして負けたときはこれで心置きなく協力できるといい、毒の沼を洗い流し、奈落の底ではえんま様のために今こそはと奮い立つなど、まるで歌舞伎の大舞台かという男臭い格好良さを見せる。これでステータスや術がもう少し良ければなあ。



・えんま様


 地獄のえんま大王その人で前作のラスボス。力でやっと支配ができる程度にはまとまった鬼の国の立役者の一人。武力と人徳が有れば人が付いて来る。それによって統率が成るということを体現していた叩き上げのカリスマ。伐折羅王も心の支えにしてるくらい人が出来てる。二回行動だがスタートボタンを押しての行動キャンセルで、延々と行動を入力できる小技が有る。君が死ぬまで殴るのを止めない!一応みなせんたんとか全体攻撃術が使えるが、疲れ切ってるのか技力は全くない。七夕の村の四神の剣で補強すると良いだろう。政治的野心の無さから、関係ない所で勝手に外堀を掘られて孤立させられる。手に入る装備が全部貴重品扱いで売るも捨てるもできないの、地味に困る。カルラとは同期の桜だが、伐折羅王含め仏教関連の大物で、何故だか彼らを鬼に貶めていて、桃太郎側には何者か分からない仙人が付いていたりと、何か政治的な意図でもあったのか?と思わず勘ぐってしまう。



・その他の仲間


 特技がいまいち。装備ができない。耐久性か無いなどの理由で、ほぼ出番のない方々。しかしながら荷物持ちという大切な役目がある。嫌味ではない。このゲームはインベントリの仕様が劣悪なのだ。ドラクエ3の預かり屋ほどにも道具を預けられない。倉庫に預けられるアイテムのあまりの少なさに頭を抱えること必至である。お金の上限もそう。金の延べ棒なんて換金アイテムがあるけど、それも預けられる金額の少なさ故である。SFCにもなって何やってんだと言いたくなる。ドラクエ5の翌年だぞお前。ファミコン未満のアイテム収蔵とか何をやってたんだと。



・アジャセ王子


 カルラが月から攫って来た姫と伐折羅王の間に出来た子。この姫がかぐや姫の母の姉に当たる。つまり叔母であり彼はかぐやひめの従兄となる。どうしてそんなことしたのか分からんが、本編ではその血筋のおかげで世界が滅んでも鬼ヶ島だけは残る、ということになっていた。世界を支える存在が血筋の分裂によって、担当する地域も別れたというのは些か不思議。鬼なのに鬼族のすることに口出しするなだの、伐折羅王からもダイダからも邪険にされており非常に不憫。ダイダにはバッチリ刺さる鹿角の術が効かない辺り、本当はダイダよりも強かったのではなかろうか。後半は孤立無援の中、桃太郎たちを頼ったり単独で形振り構わずカルラを追ったりするものの、味方がいないせいかいつも後手に回ってしまう。



・ダイダ王子


 死ぬ寸前に仲間になったと表示されるぬか喜びのプリンス。夜叉姫のことは結構大事なのか、彼女が熱に倒れているのを放置して雷神の洞窟へ進むと、見捨てるのか?と聞いてくる上に勝負しても絶対に通してくれない。脳筋ではあるがそれよりも、彼の実質的な育ての親はカルラであり「鬼が強くなければ人間が鬼を押さえ付けるだけ」という台詞を言う。あの世界観だから浮いているが一理あるのだ。しかし鬼の掟も叩き込まれており、再戦する度強くなる桃太郎の姿勢から、綺麗事ではあるが世迷言でもないくらいには耳を貸すようになり、夜叉姫にも強く言われるとグラついたりと、世間知らず故の意固地さも改善されていく。彼は分かり易く言うと育ての親であるデストロンを悪く思いたくないライダーマンなのだ。そんな彼だがカルラにとっては社内政治の道具に過ぎず、用済みになった途端殺されてしまう。色んな意味でがっかりさせてくる人。また勝負への執念は凄まじく普通に不意打ちしてぶん殴って来たりする。このゲームはボスも平気で不意打ちしてくるから重傷者が増えるし、タイミングによってはそのまま通さざるを得ないので、勝ってもだいぶスッキリしない。



・伐折羅王


 鬼ヶ島の奥で世間から置いて行かれている人。鬼の掟を第一にし、鬼たちを腕っぷしでまとめた功労者でもある。よくカルラの言いなりになっている姿から、無能とか頭が良くないと言われるが、この辺はゲームをやっているとちゃんと理由がある。先ず神社のお賽銭箱にお金を入れると『毎日同じことを言われると、それが本当のことのように思えて来る』とか『黒幕はカルラだ。先にカルラをこらしめよ』など、今日で言うとインフルエンサーとエコーチェンバーみたいな話をしてくれる。また伐折羅王を見出して王に据えたのもカルラであり、桃太郎たちが現れるまではカルラも鬼の掟は守っている。そこに加えて遠征に失敗したえんま様が、急に愛だの優しさだのと頭をおかしくして帰って来たとなれば、正気の側近は一人しかいない。忘れてはいけないが鬼の侵略自体は規定路線であり、彼は彼なりに鬼のために存在しているのである。ただ育児関係のことだけは擁護できないのでその点は山ほど叩いていいと思う。



・カルラ


 このゲームのラスボスであり奸臣であり功臣。えんま様の失脚を機に野心を隠さなくなったが、次第に追い詰められて正気を失い始める。地獄で他の鬼がカルラは錯乱し、逆らう鬼を片っ端から殺して回っているという話を聞ける。また七夕の村ではえんま様と同期でしかし本人には力が無かったので、スカウトマンとして生きる道しか無かったなど、界隈ではかなり有名っぽい。まあ月の姫を攫ってんだからそりゃそうだよな。たぶん野球関係の仕事に就いたらすこぶる優秀だったと思う。また伐折羅王の前で追い詰められたときも、ここまで鬼の国を漕ぎ付けたのも自分のおかげと言い、恐らくそれは間違いでもない。強くて敵がいない三千世界は隠居しちゃうし、かといってクソ強い地獄の鬼たちが、リーダー不在で毎日争い合うような正に地獄で派閥を形成し、伐折羅王の下にどうにか纏め上げたのは、伐折羅王の腕っぷしとえんま様の人徳、そしてカルラの策謀なくては成し得なかったことだろう。こうして見ると良いトリオだったんだけどね。序盤は人を見下しながらも大物感が有ったが、有る事無い事ならぬ無い事無い事をさえずる内に、あっという間に窮地へと陥ることになる。最初はアレもコレも欲しいと欲張っていたカルラが、終盤になると周りの破滅を願い出し、ロボットみたいな右魂鬼と左魂鬼までもが従わなくなり、遂には欲しがっていた物の大半を要らないとまで言い出す辺り、統合失調症めいた人格崩壊を極める。余談だがこのゲームは宿屋に泊まらないとセーブした際の日付が増えないので、レベルアップや仙人の庵、各地の全回復ポイントを駆使して宿屋を使わなければ、24時間以上経っても一日が終わらず、たった一日というハイスピードで彼を破滅させることも可能である。



・仙人ズ


 正体不明の神様や仏様みたいな存在。神仙郷にもいるし、世界崩壊後は黄泉の塔の最上階にいる。くれる術の半数近くは役に立たなくなる。ほうひ仙人の修行を一発でクリアしたときは逆に悔しかった。また鹿角仙人の「今後この術が全ての命運を決めるじゃろう」という過言でも何でもない必殺技を授けてくれるのもいれば、ふゆうやおによけと言った冒険に必須の術を教えてくれるのもいる。何気に術を覚えた後は話しかけると全回復してくれる。掛け軸を調べると、お金のことばっかりの下世話な格言が書かれている。仙人たちが何者なのかは結局分からなかった。



・かぐや姫


 天帝的な存在の末裔で、この世界の核とでも言うべき存在。彼女が死ぬと世界が崩壊する。そして従兄のアジャセ王子が鬼の血を引いているため、鬼ヶ島一帯を受け持つことになっているなど、月のやんごとない一族の血は大地の命脈そのものである。ぶっちゃけると世界の化身みたいな人。カルラはこの秘密を知らないのに、月の連中厄介じゃね?とか言ってた。ただ何が厄介なのかは終ぞ分からなかった。



・キーコとポチとモンタ


 桃太郎のステータスを底上げしてくれるお供たち。全員きびだんごを要求する。モンタだけダンジョン内にきびだんごが無いので、持ち込みが必要となる。ステータスの上限は50であり、専用の餌以外にも大根とか食わせてもたまに能力が上がる。ボス戦では非常に優秀なサポート役のキーコ、金策担当のポチ、その他のモンタという塩梅になっている。猿使えねえな。ポチの探索は神社の入り口手前(鳥居のことではない)で探索を使うと、縁の下に入ってアイテムを入手できる。これが売るとすげえ金になるので、終盤までは非常に大事。また希望の都でのコンテストで優勝すると賞金が貰えるが、これは桃太郎のレベルが上がる度にまた参加できる。金が欲しかったらポチに金をかけよう。



・龍鬼船


 城の潜水解禁後に海底で遭遇する。浦島の村~竜宮城の辺り。こっちみたいに鬼が飛び出して来るかと思いきや、飛び出して来るのはなんと魚雷。『トシュゥゥゥーー』じゃねんだよ!なんだよ魚雷って!急にリアリティラインを上げて来るんじゃねえよ!せめてこっちと同じように大砲を撃てよ! 一発でこっちの体力を半分以上持って行くな!まだ月鬼船のビームのほうが許せるわ!



・黒鬼


 どうかしてる勢いで不意打ちしてくる。全4回で二回は氷の塔の中ボス戦。浦島を沈められてリセットして再戦してまた不意打ちで浦島がとしばらくこのゲームを止めて、第四次スーパーロボット大戦の二周目を始めることになった原因。三度目も集中砲火が酷くて、パーティは半壊。庇うとお供によるファインプレイに救われて、どうにか窮地を乗り切ることになった。



・ほしくま童子


 欲張った私が悪いんだが不意打ちで桃太郎が術で死んだ。


・酒吞童子


 案の定不意打ちして来た。さすが軍神様だやることが徹底しておられる。



・黒河童


 中盤終わり際のレベリングスポット『鬼の爪痕』に出没する。地蔵菩薩様のいる野原から八歩くらい上に行くと、エンカウントするようになる。出て直ぐだとコマヒキやがあたろしか出ないので注意。ここでレギュラーやあしゅら、ましら等のレベルを上げておくと良いだろう。



・地蔵菩薩様


 地蔵菩薩様です。もう一度言います。地蔵菩薩様です。このゲームのOPのBGMはこのお方がセーブしてくださるときの音楽です。地獄に仏を体現するこのゲームのもう一人のメインヒロインです。バランスの悪いこのゲームで地蔵菩薩様の下に辿り着いたとき、安堵の溜息を何回漏らしたか分かりません。ただそこに坐しまして下賤の小童の話を慈しみの心で聞いて労いの言葉をおかけ下さる、真に尊きお方です。神社でさえセーブするときはボタン一つでお仕舞いですよ。このゲームで本当に善良な存在がいるとするなら地蔵菩薩様しかいません。マジで。



・ゲーム性について


 一言で言うなら見栄っ張りなゲームである。音楽は村とフィールドマップ以外は全体的に静かか暗いかで、海や月は心細くなるばっかりである。敵も殺意が高過ぎる。いきなり敵が三匹編成でカエルが雨を呼んで、病み上がりの桃太郎が集中攻撃で死んだり、頻繁に不意を打たれたり、敵の方が素早く戦闘が安定せずに疲弊が激しかったりと、だいぶ出来が粗い。バランス調整が出来なかったからおによけ※があの仕様になったのだろう。画面を大きく見せたいという構図が却って画面を狭くし、そのためにお供に偵察させる。道具と金を全然預けられないから換金用のアイテムと、どう見ても倉庫キャラとしての仲間を入れるなど、泥縄的な構造が目立つ。レベルも99にするための要素はあるのだが、必要経験値が多すぎる。桃太郎のレベルが99になるのに必要な経験値はドラクエ5の主人公のなんと二倍である。どう考えても桁が一つ多い。しかも大黒様と鬼の旗を使う場合もテンポが遅い。この辺もエビルマウンテンの、はぐれメタルハメと比べると爽快感が無い。加えて装備も高く、金策手段を知らなければレギュラーだけでも金に困り易いなど、なるべくこのゲームに時間を取らせて、他のゲームを遊ぶ時間を奪いたかったのでは?という気さえしてくる。何せほほえみの村の直ぐ右に、怨みの洞窟を配置するような会社である。あり得るな、と思わずにはいられない。敵も大味に強くなって、楽しませようって意思は感じられなくなっていく。


※おによけの術は一度しばき倒した敵が出なくなるというもの。初見の敵とは必ず一度は戦わないといけない。大国様の無敵を受けた状態で再び大国様や一文無しに会うと、漏れなく吹き飛ばして二度と出会えなくなってしまうので、それだけは絶対に避けよう。一応雪だるまも。



・アイテムについて


 注意事項です。



・玄武の刀


 使うとまもりの術。何故か単体仕様になってしまっている。恐らくは浦島がいないパーティ用のアイテムだったはずなのだが、これでは役に立たない。後半やたらと全回復アイテムが貰えるのは、みなまんたんを覚えるのが浦島だけ、みなせんたんを実用的に使えるのが実質ましらだけなせいだろう。せめて銀次の武器効果が確定で発動すればね。



・青龍の刀


 使うと全体50ダメージの雪崩の術が発動する。また汎用最強武器なので、すずめのお宿6のつづら屋でものふやしの玉を取って、増産することになる。ありがたい事に売れるので、要らないなら処分できる。といちやに金を払わず攻撃させるなら必須アイテム。



・はごろも


 使うとセーブしたポイントに戻れるため、ダンジョン内でセーブした後脱出し、大国様の支援を受けて無敵になったあと、戻って鬼の旗を使ってまだ倒していない鬼の洗い出しをするのに使う。これを使って豊かの村に戻ると、エンカウントの参照がおかしくなるのか、月鬼船が出るけど全体的に敵がしょっぱいエリアのものになる。通常の豊かの村のほうが平均して得られる経験値が2,000くらい高いので、普通に移動したほうが良い。



・強力丹


 テオメトルな。これがないと浦島と夜叉姫は三千世界、伐折羅王、カルラ(ラスボス)の攻撃に耐えられないこともしばしば。ほほえみの村周辺に出る、一文無しに1000両恵むと貰えることがあるので、おによけの厳選を頑張ろう。



・半分の玉


 敵のHPを半分にする。ボスには効かないと出るが実は効いてる。なのでボス攻略の救済処置とでも思えば良い。戦闘時の台詞の変化は見られなくなるが、しんどいしもう付き合い切れないと思ったら、容赦なくぶん投げてやろう。



・終わりに


 思い出は粗を忘れさせるが、もう一度遊べば嫌でもそれに直面する。ドラクエやスパロボみたいに撮れ高的な物も少なく、釈然としない場面も増えた。なのにというか、やっぱりというか、不満が出るほど話すことが増えるんだから、面白さってつくづく業の深い概念だと思う。認めたくないが新桃太郎伝説、まあまあ面白かった。


 あくまでもまあまあな。



・おまけ


 第四次スーパーロボット大戦レベル上げの目安。


 これは私が氷の塔で不意打ちにより、二回立て続けにゲームオーバーになり、むしゃくしゃして現を抜かした折に再発見したアレコレです。主にZZを使ったレベル上げです。ご査収ください。なお奇跡ゴラオンについては省略。ただイントルーダー(南南西)において、シルキーのレベルが10だと65,11だと60になってしまうので、やるならレベル10に留めておくべき。


 リアル系8ターンルート


 ブライト初期レベルからそのままオーラマシン展開(ゴラオン)で、増援の左下のグライア軍団→その後レベルを上げずトータル・バランスにて初期配置のオーラバトラー(要激励)どちらもハイパーメガ粒子砲のフル改造で行う。なおレベルは60前後で止まる模様。


 宇宙ルート ロンデニオン


 シーブックのレベルを上げてはいけない。ZZが加入した次のステージ。筆者はここで副主人公レベル16をレベル80以上にした。初期配置の非ネームドと増援を合わせて、幸運を使って倒したらなった。


 合流後 ノイエDC


 レベル18のキャラが初期敵とゴーナグールを含めて幸運をかけて倒すとレベルが80以上になる。この時はバーニィだった。不毛である。主人公やアムロもレベルが上がっていたため断念。分岐時にザンボットやライディーンを改造して、MS系のパイロットの成長を抑えるべきだったかも知れない。


 コロスとドン・ザウサー


 右の通路から来るのをシーブックでまとめて倒した。丁度敵の一番下のレベルで8レベル差となり一気にレベル50中程になり激励が3回使用可能になる。


 キリマンジャロの嵐


 クリスレベル23がジェリドを含めた上の一団を吹き飛ばすと、二回行動と復活が解禁となる。全滅プレイもするため、最初の一回が大事なので、根気よく繰り返す必要が有る。


 ダカールの日


 レベル25のファが増援もまとめて吹き飛ばすと、晴れてレベル80オーバーで激励4回使用可能となり、次のトータル・バランスでブライトのレベル上げを可能にする。彼女の遠攻撃も140を超えるので、こうなるとGクルーザーのスマートガン一本で食っていけるようになるあら、だいぶ重要。


 新しい力


 コウでメカブーストを幸運で以下略。移動力をべらぼうに要求されるので、二回行動ゴラオンがあると大変助かる。なおこの面で仲間になるサイバスターに経験値を入れてはいけない。ゲストとインスペクターで彼の出番が回って来るが、ゲストの機体は元々の経験値が多く、削りでレストグランシュを5体殴るだけでもレベルが上がってしまうからだ。


 特異点、崩壊


 主人公が奇跡を使う。お金が勿体ないが、ゲスト軍は経験値も多い。ザムジードのレベルを上げてはいけない。


 ポセイダルの野心


 満を持してダバのレベルを上げる、が、筆者の腕が未熟というか普段使いしていたため、80まで持って行ってあげられなかった。


 リューネ・カプリッチオ


 やって来る初期配置の敵と最初の増援に対して、移動力を上げたザムジードで街中に突撃し、まとめることが出来る。数が少なく幸運も無いが、それでも50代までは上がる。



・可変機の限界について


 限界を255まで改造したのに、変形すると限界が5下がる機体がいるが、これはインターミッションで機体を変形させることで、もう一段改造できるようになるので、解消できる。具体的にはZ、ZZ、スペリオール、ビルバインの四機である。これで変形後に微妙に回避率が落ちる状態ともオサラバだ



・武器と地形適応について


 武器と機体の地形適応がAなら一番良いが、機体の地形適応がBの場合、武器の威力がどの程度なら前者を上回れるのかちょっと調べて見た。モデルは最終話のグラシドゥリュ相手にレベル87遠攻撃144のファ。使用機体はスペリオール(Gクルーザー形態)のビームスマートガンとビームカノン、そしてリガズィのメガビームキャノンだ。



 ビームスマートガン 2600→3292

 ビームカノン    2680→3431

 メガビームキャノン 3270→3508


 グラシドゥリュのHPが7100なのでビームカノン以降は激怒でちょっと撫でるとクリティカル一発で落ちる。つまり単純計算で武器の威力差が590あれば機体の地形適応Bでも威力はそれより下の適応が両方ともAの組み合わせを辛うじて上回るということになる。ExSガンダムのビームカノンならクリティカルで確1なのだがそのためだけに犠牲にする物が多過ぎるので止めて置いたほうが良い。じゃあビギナ・ギナかサザビーかと言う話だが、それもそれで別の人が乗るだろう。どなると空Aで火力の出るMSで枠が余る可能性のある機体となると、カミーユのお下がりのZが一番しっくりくるかも知れない。ちなみにそこまでするとフル改造のハイパーメガランチャーのクリティカルで確1となる。

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新桃太郎伝説 クリア記念雑感書き散らし 泉 とも @izumitomo20231231

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