祖父の遺産

書斎に入り、まず僕は山下先輩に前置きを話した。


「まずは書斎に誰を雇うか、つまりどの駒を置くかです。ですがその前にこれらをどのような法則で並べなくてはいけないのかを考えるべきです」


「法則って?」


僕は駒を全部クーラーボックスの中に置いて、二枚目の紙を取り出して先輩に見せる。


「意味深に置かれたマルチョウやらシロコロやらの肉類。これが暗号に関係がないはずはありません。なのでこれらの肉類がこの駒を置く場所の指定に対応していると考えるべきです」


「そうだね。…………いやでも、指示は六つだけど肉は五種類しか…………」


「それはどういった法則で肉類とこの指示を結びつけるかを考えたらわかります。まずはこの暗号が山下源清さんが先輩に出した謎解きの問題であることを念頭に置きましょう。僕はそこまで謎解きを嗜むわけではないですが、こういった問題は過剰な知識は必要ないことが多いです。大抵は誰もが知っていることが答えになる」


簡単ななぞなぞで言えば、『ひっくり返ったら軽くなる動物ってなーんだ?』だったら答えは『イルカ(逆から読んだらカルイだから)』になるといったようになる。これは謎解きがただのクイズとは違って問題文からの発想力を重視している問題だからなのだろう。僕のその説明に山下先輩は同意した。


「うん、大体はそれに当てはまる」


「しかし専門的な知識を有していなければ解けない謎解きを思いついた時、それを謎解きとしては適していない。ではそれを謎解きとして成立させるにはどうすればいいのか。それはそういった専門的な知識を解く人に与えるヒントがその場に残されていればいい」


「この暗号もそれに当てはまるってこと?」


「はい。僕がこの家を一通り見た中でヒントになりうると思ったのは…………“これ”です」


僕はこの書斎の中のある場所、中国医学の本が並べられている辺りを指さした。先輩は僕の指の先に視線を向け、その本をじっと見つめた。


「これが、何か関係あるの?」


「この本に書かれているであろう内容を使えば、肉とチェスの駒を二枚目の紙の指示を通じて繋げることが出来るんですよ」


「つまり肉から偏らないとか平和の象徴みたいな意味が導き出せるってこと?」


僕はうなずいた。そして紙の指示を再度確認してチェスの駒を一つずつ回収していく。最後に残った駒は王冠がかたどられているチェス最強の駒、クイーン。


「マルチョウがあるこの書斎こそが享受する場所、つまりはクイーンを雇うべき場所なんですよ」


「ねえ、いい加減に教えてよ。法則って何なの?」


「マルチョウ」


「え?」


「シロコロ、胆嚢、ハチノス、ヴェッシー」


この山下源清の家のあちらこちらにクーラーボックスやら冷蔵庫やらの中で大切に保存されていた肉類の名前を僕は読み上げる。そして先輩に聞く。


「これらは動物のどの部位を表しているか、先輩は分かりますか?」


「マルチョウは小腸なんだっけ。シロコロは大腸、胆嚢は胆嚢で?ハチノスは胃で、ヴェッシーが膀胱」


首肯する。


「小腸、大腸、胆嚢、胃、膀胱。胆嚢は胆と言った方が分かりやすいですかね」


「胆?」


「東洋医学における人間の全ての内臓を表す四字熟語、こういえば先輩ならわかるでしょう?」


山下先輩は自分の知識に当てはめ、そして理解した。だけど未だ戸惑っているようだ。枠組みが分かってもそれをどうやって指示に対応させていくのかが掴めていないようだった。


「四字熟語は分かったよ。…………五臓六腑、だよね。それの種類までは知らなかったけど」


「五臓六腑は五つの臓、肝、心、脾、肺、腎。六つの腑、小腸、大腸、胆、胃、膀胱、そして三焦に分かれています。六腑の方はこの家に置かれていた肉と対応しているんですよ」


「ほんとだ、何でわかるの?」


「さっきも言った通りどこかにヒントがあったかもしれないと思って思い返してみると、書斎に東洋医学の本があったのを思い出しまして。五臓六腑を閃いたんです」


なぜ五臓六腑の六腑だけを考えたのかは、源清がわざわざ秘蔵の暗号と言ったからだと考えた。秘蔵ひぞう、つまりは非臓ひぞう。だがこれはこじつけになってしまうので言わなくてもいいだろう。今となっては闇に葬り去られてしまった謎だ。答えを教えてくれる人はもういない。今は六腑がたまたま対応していたという説明で構わないだろう。僕らが求めているのは、金庫の中身なのだから。


「でも、それがどうしてその指示と結びつくの?さっき享受って言ってたけど、小腸に享受っていう意味があるの?」


「知り合いの医者から教わった話ですけど、五臓六腑にはすべて別名があるんです。今回は六腑だけ話しますね。その別名がこの紙の指示に当てはまるような気がしたんですよ」


「別名って?」


「まず小腸、これは受盛の官という別名があります。受け取って盛ると書いて受盛の官です。胃から運ばれた栄養分を受け取る場所といった意味だったと思います。これ、享受と結びつけられると思いませんか?」


僕は続けて別の六腑の別名を説明していく。


「そして大腸、これは伝導の官。伝導は駆け回るに対応しているはずです。胆は中正の官、偏らない存在です。胃は倉廩そうりんの官、倉廩というのは米を保管する倉庫という意味です。これはそのまんま国を助ける倉庫と対応しています。膀胱は州都の官、アラスカ州の州に都と書いて州都です。ここでいう州都とは川の中州に立つ都、田畑を利用するための水、でしょうね」


次々と六腑の別名を説明していく僕を先輩は半目で見ていた。


「…………何で知ってんの、そんなこと」


「知り合いの医者に聞いたんですって。それに、多分そこにある本のどれかにも同じことが書いてあると思いますよ」


「ねえ、なんで三焦は何で説明しなかったの?」


「それは最後にしておきましょう、ひとまずは五つの場所に駒を置いていきましょう、次は厨房にでも行きますか」


僕はクーラーボックスを閉めてから書斎を出てその隣の厨房へと歩いていく。後ろからは先輩の「情報出し惜しみにするとこまで名探偵じゃん」という呟きが聞こえてきた。

襖を開けて僕らは厨房に入った。冷蔵庫を開けてシロコロを確認する。


「シロコロは大腸、伝道の官です。つまりは最も駆け回り努力するべき、ナイトが適している場所です」


シロコロの近くにナイトの駒を置く。冷蔵庫の中にチェスの駒って入れていいのか?まあ指示には従っておこう。残りのチェスの駒は四個。こうやって見てみることで気づいたが、こんな伝統的な木造建築の家屋で置いた盤が将棋のものではなくチェスのものだった理由に気が付いた。

将棋の駒は六種類ではないから、六腑に対応させることが出来ないからだ。だからこの暗号のためにあの茶室にチェスの盤を置いたんだろう。


「次は居間だよね」


「はい。あの、持ちにくいので駒持っててくれませんか?」


「嫌だよ?」


「そうですよね」


この人はそういう人だったか。そして僕らは厨房から居間に移動する。そして居間のクーラーボックスを開ける。中に入っているのは胆嚢。胆嚢の料理なんて僕は知らないんだが、どこかにあるのだろうか。イヌイットがそういうの食べそうなイメージはあるが。

僕はクーラーボックスの中に駒を一つ入れる。


「胆は中正の官。中生とはどちらにも偏らないことを指す言葉です。なのでこれは誰かに偏らない存在であるべき、キングを雇う場所です」


「あれ、でも」


先輩はどこかおかしい事に気付いたようだった。僕は微笑んで答える。


「大丈夫ですよ、このまま雇っていきましょう。次は客室ですね」


僕らは客室に移動する。客室は座布団が幾つか積まれていて、その隣にクーラーボックスが置かれていた。それを開けると中にはハチノス、牛の第二胃が入っている。僕はそこにルークを配置する。


「胃は倉廩の官、ここには倉庫であるべき城、ルークを雇います。さて、次が最後ですね。トイレです」


「でも、まだ駒は二つ残っているよ」


その通り。残りの肉はヴェッシー、豚の膀胱だけだが僕が今手元に持っている駒はポーンとビショップ。先輩はそれを見ながら言う。


「さっき君は州都の官が川の中州と言っていたけど、まさかトイレに二つとも配置するなんて言わないよね」


「そんな事はしませんよ。まあひとまず、トイレに行って人を雇ってからにしましょうか」


僕のその言葉をひとまずは先輩も飲み込んだようだった。客室から出てトイレへと向かう。トイレは少し見つけにくく、裏側にクーラーボックスが隠されていた。作業がしやすいようにそれを引っ張り出しておく。そしてクーラーボックスを開け、僕は一つの駒を配置した。


「ポーン。水を管理してもらいましょう」


「それじゃあ、そのビショップは?どこに置くっていうのよ。もう、それを置く場所なんて」


「ありますよ。ちゃんとあるじゃないですか。もう一つの部屋が」


その言葉を先輩はすぐに理解した。僕はクーラーボックスを閉めてから最後に残ったビショップの駒を見せながら言った。


「さて、戻りましょうか。茶室に」








書斎。小腸が置かれたその場所に僕はクイーンを配置した。

厨房。大腸が置かれたその場所に僕はナイトを配置した。

居間。胆が置かれたその場所に僕はキングを配置した。

客室。胃が置かれたその場所に僕はルークを配置した。

トイレ。膀胱が置かれたその場所に僕はポーンを配置した。


部屋も六腑も駒も一つだけ残っている。ならばそれこそが正答であり、鍵の正体だろう。残されたこのビショップこそが現れるという鍵の正体なのだ。僕はクローゼットを開け放つ。堂々と居座る黒い金庫。僕はその抽斗を開ける。


「ビショップを雇う場所は、ここですよ」


「え?だってそこは、何もないじゃない」


「先輩、確か生物選択してましたよね。三焦なんて内臓聞いたことがありますか?」


「…………ない。まさか三焦って」


気付いた様子の先輩に僕は頷きで答える。そうだ、先輩の気付いた通りだ。僕らは普通に生きてきたうえで三焦なんて臓器のありがたみを感じたことなんて一度もない。聞いたこともない人の方が多いだろう。それは当たり前だ。なぜなら、なぜなら三焦というものは。


「存在しない部位なんですよ、三焦は。別名は水の通り道という意味の決涜けっとくの官。そしてこの部位は名ありて形なしと形容されることもあります。存在しない部位の肉なんて用意することはできない。だからこの抽斗は空っぽだったんですよ。空っぽであることがここが三焦を意味していることを僕らに教えていたんです」


僕は抽斗を閉じる。そしてキーボードに指を置く。


「解錠の時間です。鍵と呼べそうなものは特になかった。ならば最後に残ったこのビショップがパスワードと考えるのが自然です。そしてこの金庫の上部にはYou should know Latin alphabet & the Hepburn system.と書かれている。あなたはラテン文字とヘボン式を知るべきだ。ラテン文字というのは僕らでいう所のローマ字の事でしょう。そしてヘボン式を知るべき。つまりパスワードはヘボン式のローマ字で入力しろという意味です」


僕は『bishoppu』と入力しエンターを押す。キャレットが下に移る。


「ここに入力するものは恐らく三焦でしょう。他にパスワードらしい言葉なんてありませんでしたし。決涜の官だったらすみません。抉じ開けてください」


「まあそれはパスワードを一回試した君の責任だから」


「絶対あんたも入力してたでしょ」


「証拠はないし」


溜息をつく。そんな裏をかくようなことはしないでくれよ、山下源清。僕は『sansho』と入力した。僕は振り向いて先輩の方を見る。先輩は何で僕がエンターを押さないのかと疑問を顔に浮かべていた。確かに僕が解いたけれど、この暗号は山下源清が山下先輩に出したものだ。僕が全て終わらせるべきじゃない。


「先輩が押してください」


「…………分かった」


僕は立ち上がってそこを退く。先輩はうずくまり、僕が入力した文字を確認してから、ゆっくりと震えさせながら人差し指でエンターキーを押した。

少し身構えた。間違っている可能性だってある。僕の推理の何処かに穴があった可能性がある。先輩ほどではないだろうが、僕も緊張していた。


不正解を表すブザーは…………ならない。その代わりにどんな音もならなかった。数字も01からは変化しない。茶室に唾を飲み込む音が響いた。どちらのものだったかはよく覚えていない。どちらでもあったのかもしれない。

先輩は取っ手に手を掛け、力を籠めてそれを引いた。ガチャという音を立てて、金庫の扉はあっさりと開かれた。


「開いた!」


「中には…………何が」


山下源清。彼は嘘をついてすまないという事を話したという。その噓はきっとこの家に隠されたお宝という意味だろう。お宝なんてここにはきっとない。それどころか三焦、存在しない部位と洒落を利かせて何も入っていないという可能性だってある。

だけど僕が乗り出してみるべきじゃない。先輩が先に、見るべきものだ。先輩は金庫の中に手を伸ばす。何かは入っていたようだった。彼女の呟きが聞こえた。山下源清はしっかりとしている人物のようだった。


「手紙が、二つ入ってる」


「それは…………先輩の祖父母の?」


先輩は首を縦に振った。彼女は二つの便箋を持っていた。片方にはおじいちゃんより、もう一つにはおばあちゃんよりと書かれていた。先輩はまずおじいちゃんよりと書かれた方の便箋から開けて中身の手紙を確認した。そして一行目あたりを読んだところで先輩はその手紙を抱きしめるようにして身を縮めた。僕が大丈夫かと聞こうとしたら、先輩は鼻声で言った。


「ちょっと居間まで行ってて。終わったら、呼ぶから」


「分かりました。急ぐ必要はないですからね」


ここからしばらくは山下家の時間だ。僕が介入するよりなんて一ナノメートルたりとも存在しない。茶室から出て襖を閉じる。そして言われたとおりに居間へと向かった。居間には座布団があるからそこに座る。

そして思わずつぶやいた。


「本当ならこれも遊びの一つになるはずだったんだろうな」


源清は入院したばかりの時に山下先輩にこの家にあるお宝について話したと言う。そしてその他の入院したばかりの情報について先輩は他にも祖母が死んだこと、そして源清がすぐに退院できると口にしていた事を思い出す。

恐らく源清は最初脳溢血で入院したときに大したことはないと考えていた。すぐに退院してまた孫娘と知恵遊びが出来ると考えていたんだろう。そして入院してすぐの時にこの五臓六腑とチェスの駒を結び付けた暗号を思いついた。思いついたのは入院の前かもしれないが。それで先輩の祖母にクーラーボックスと肉類、金庫を準備させその中に自分たちの手紙を入れておいた。金銀などがあると思わせておいて自分たちの思いを込めた手紙を渡すという考えだったのだろうが、退院は出来ず、祖母も亡くなり予定は崩れてしまったのだろう。

そしてそれを言い出せないまま土曜日が来たんだろう。体調が崩れ、いつ死んでもおかしくない危篤状態。そうなった翌日、つまり一昨日の昼に先輩にメッセージを送ったんだろう。メッセージを用いた理由はきっとその時山下先輩が集中しないといけない状態だったからだろう。多分先輩はそこにスマホを持っていってなかった。先輩がスマホの留守電を設定しているかは分からない。

源清はそれらを考慮して自分が今日この日死んでしまう可能性を視野に入れた。今死んでしまえば先輩が暗号を解かずに終わってしまうかもしれない。だから、もし自分がこの日死んでも先輩が暗号を解読し自分と祖母がかつて残した思いが籠った手紙が先輩の手に渡るようにしたかったんだろう。


本来ならばただの謎解きの一つと消えるはずだった暗号は、遺産となってしまった。それはどんなに悲しい事だろう。

だがこの手紙を先輩に受け取って欲しかったのは多分、祖父母だけじゃない。この家を祖母なきあと管理していた母親も謎が解けなくならないようにクーラーボックスや冷蔵庫をしっかり点検してくれていたことだろう。祖母か源清か、どちらかに頼まれたんだろう。


僕が死ぬときは、誰かに何かを遺せるだろうか。源清たちとは違って、こんな暗号すら遺せないかもしれない。それは人として最も悲しい事なのではないかと、日常が遺産へと変質することよりも悲しい事なのではないかと思った。


「まあ、いつ死んでもいいようにしておけってことだな」


それからしばらくはそこでずっと待っていた。日も暮れ、橙色だった部屋が少し暗さを帯びてきたところで居間の襖が開かれた。


「読み終わりましたか?」


「うん、…………うん」


先輩の目の周りは、少し腫れていた気がする。手紙の内容を聞くようなことは、しなかった。






「今日はありがとね」


先輩は笑顔を見せ感謝の言葉を口にした。今、僕たちはあの家から出てそれぞれの家に帰宅しようとしているところだ。今日は新月のようで月の光は僕らを照らしていなかった。


「いえ、大丈夫ですよ。また何かあったら力を貸します」


「でも凄かったよ、あれに気付くなんてやっぱり名探偵だね」


「僕は名探偵なんかじゃ…………あ、着きました」


着いたというのは僕の家だ。表札には黒御くろみと書かれている。先輩はまだ大切そうに二枚の便箋を手に持っていた。きっと彼女の祖父母は先輩の心中で大切な存在として保存されていくのだろう。僕はまた明日、だとか。さようなら、だとか。そんな別れの言葉を伝えようとして、そういえばまだ言っていないことがあったと思い出す。この先輩は土日にスマホを家に置いていって、自分の将来にとって大切なものになる事を済ませてきたんだった。

僕は先輩に伝えた。ねぎらいの言葉を。


「そういえば、先輩。土日は共通テストお疲れさまでした」


共通テストは毎年一月に十三日以降の最初の土日に行われる。十八日と十九日は、先輩が共通テストを受けた日だ。

僕は先輩に聞く。


「どんくらい取れたんですか?」


「ふっふーん、ちゃんと九割以上取れましたー」


「それは良かったですね」


僕らはそれぞれの人生を進んでいく。どこで死ぬかなんて分からない。ただ僕らに出来るのは、楽しく人生を送っていくための努力と、正しく死ぬ前に何かを伝えるという責任を理解しておくことだ。

チェスで思い出したが、チェックメイトという競走馬がいたらしい。虚弱体質で成績も低かったが、それも改善してきてレースで勝ち進んでいった。しかし唐突に病気で死亡したらしい。

源清は死ぬ前に暗号を孫娘に遺した。僕ならば死ぬ前に何を遺すだろうか。大したものはもっちゃいない。僕はきっと、自分が歩んできた人生を伝えることしかできないだろう。でも、それで構わないのかもしれない。だれもが暗号を好むわけではないが、先輩は好むように、人の人生を知りたいと思う物好きが、どこかにいるかもしれないだろう?

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