第4話 過食症
10キロも太っていたから当然だが毎日のように常連のお客様に「太った?」と言われてしまう。
1人や2人ならまだ良いのだが毎日いろんな人に言われるもんだからそれはキツかった。
太った私、どこからどうみても醜い体だな。
鏡の前を通るたびに、自分のお腹を見てしまう。
ボーンと出たお腹。
前回ジムを休んだ時からさらに太ったから、怒られたらどうしよう。
こんなんでジムにはいけない。
なんとかして、時間を稼ごう。
そう思い咄嗟に思いついた私は、
「すみません。胃腸炎にかかってしまったため2週間ほどお休みしたいのですが…」
と連絡をした。もちろん、嘘だ。
4回分のトレーニングが無くなった。
気持ちが楽になった。
この2週間で、頑張って落とす!元に戻す!!
そう頭では意気込んでても、体は食べてしまう。
そんな時、とある動画を見つけた。
若い女の人の動画だ。
「食べたくないのに食べてしまう、そして食べたものを吐き出すことを繰り返していました。
とても辛かったです。」
今の私と一緒だ。けど私は嘔吐には嫌悪感があったため嘔吐は出来なかった。
自分の体に入ったものが口から出るということに耐えられないのだ。
「過食症を克服できた方法は、自分を認めてあげることです。私はダイエットで追い詰めて、食べたいものも食べれなくて辛い毎日を過ごしていました。ちょっと食べちゃっただけでも、かなり自分を責めました。それが良くなかったんです。今のままの自分を好きになってください」
確かに、私はずっと、自分を、こんなんじゃダメだと。醜い体で誰からも好かれない。痩せることなんてみんなできるのになんで自分は出来ないんだと、追い詰めていた。
でも、もうダイエットなんてしなくていい。
自分の体最高じゃん!そう思うだけでもかなり心の中を支配していた黒い何かが晴れていくの感じた。
不思議なことに。
その日からふと気づくと食べ物のことを考えている時間がほぼ無くなったのだ。そう、過食を克服出来たのだ。もう、食べたくないのに食べなくて良い。
その後の私は、食べたいものをたくさん食べた。そして、10キロ増えた分は成人式までにやっぱり少しは減らしたいなと思い、2ヶ月延長。
だがやはり、私にジムは合わなかったのか、体重を測った後何かを口に入れたくて仕方なくなる。結果ジムの後は毎回コンビニで大量にお菓子を食べて夜に食べていた。そのため、体重はあまり変わらなかった。
延長を含めると計4ヶ月通っていて支払った金額は40万円だ。バイトも4ヶ月で辞めた。
そしてジムを卒業してから10キロ増えたまま成人式を迎えた。
今当時の写真を見ると、とんでもなくまんまるくて笑ってしまう。
ダイエットをしようと思って結果10キロ増えてしまったわけだけど、なんと嬉しいことにダイエットをしないでも好きなものを食べていても1年で元に戻ったのだ。
ホメオスタシスというものだろうか?
この時から私は頑張りすぎるダイエットはやめたのだ。今は、健康的な生活を送る。を心がけている。
ジャンキーなものやお菓子が食べたくなる時がある。そういう時はとことん食べる。
けどそんな自分を責めない。
ゆるく、無理しないようにダイエットするのが何より一番自分に合っていると勉強になった。
この過食症の話を出してくださった方には感謝しかありません。辛かった自分の過去を話すのはきっと勇気がいる事ですよね。ありがとうございます。
自分ももし誰かがダイエットで悩んでいたら私でよければ力になりたいなと思っている毎日です。
そして、自分は自分の味方でいてあげてください。
自分が自分のことを嫌いになって、いいことなんてありません。毎日自分を褒めてあげてください。
マンツーマンジムに行って10キロ太った話 すず @su_su_1998
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
かつけーのダイエット日記/かつたけい
★119 エッセイ・ノンフィクション 連載中 76話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます