第23話 彼と私の恋電車 彼視点③

完全に俺は彼女に溺れていた。


朝に姿を眩ました彼女。俺は連絡先を知らない。彼女からの連絡を待つだけしか出来ない。


あんなに激しく求めあったのに…彼女は去った。やっぱり、独りよがりだったんだろう。


恋しくてたまらない。

だけど意外にも近くで繋がりがあった。


居酒屋での再会。


俺は彼女を捕らえた。他の男には渡したくない。

一緒にいるだけでも今はかまわない。

とにかく、繋がりを断ち切りたくはなかった。


だから強引に連れ帰った…何かキッカケが欲しくて。


彼女がアルバムに手をかけた時…俺は正直、緊張した。

彼女は当時の俺を…顔を覚えているのだろうかと。

俺を見ても本人だと気付かないのに、アルバムを見てわかるのか?


そう思ったけど、彼女はちゃんと気付いてくれた。そんなに変わったか?俺。


彼女は嬉しそうに微笑む。そして深くキスを交わす。

俺達は…やっと、全てを繋げる事が出来たんだ。


かなり回り道をしたけど、だからこそ、未来が出来たんだと思う。

もし、高校時代に恋人になっていたら?若い二人には別れが訪れただろう。

若いからこそ他の異性に気がいってしまうだろうから。

今だから良かったんだ。


甘くもあり、濃くあり、踏み込み過ぎず、良いバランスを保てる大人の恋。

これから2人の時間はまだまだ続く。始まったばかりだから。


***


俺の愛しの姫様は、何年経っても変わらずエロ可愛い為…溺愛がとまらない。




――彼と私の恋電車  完――





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溺れるほどキミに愛されたい KOMUGI @mugiko4

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