初めてのノート
@churiipuneko
第1話 初めてのノート
唯子が気に入った、一冊のノート。
青空に白い雲が描かれたノートである。
それをぱらぱら、めくりながら考える。
まっさらなノートに何を描こうか。
唯子は、ペンを握っては転がして考える。
ノートとはいえ、気に入ったノートには書け
ないのである。
せっかくのまっさらなノート。
ここに書いてはもったいない。
せっかく買ってもらったノート。
使わずにとっておきたい。
そんなことを考えると書けないのである。
また、ペンを転がして。
はたまた、ペンをカチカチと出したりしては
しまってを繰り返す。
「はぁ、やっぱり書けないや」とノートを閉じる。
お気に入りのノートにはやはり、書けないのである。
初めてのノート @churiipuneko
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