第4話  水面に映る

周りのクラスメイトからの噂で「あの最近さー、水面に映ると恋が叶うっておまじないがあるんだってさ」と言う話を耳にした。

頼子は「それってさ、もしかしたら、恋人と水面に映るとだったよね?」ともう一度聞いた。

クラスの女子が「そうそう。それで水面に映った人は、その人と一生を共にすることが出来るって噂だよ」と頼子に返事を返した。

それを聞いた秋子は思わず「私も、その水面で話をしてみようかしら?」と密かに思っていた。

その一希にメールで秋子が「あのさ、この川の水面に私たちが映ると幸せになるんだってさ。一緒にやろうよ」とメールを送った。

一希が「嫌だね。そんな事より何処かに行って美味しいラーメン食べに行こうぜ」と秋子に断りのメールを入れた。

秋子が「じゃ、良いもん。違う人とやるから」と一希にメールを送ると、一希が「分かったよ。やればいいんだろう?」と仕方なく秋子の言う通りにした。

そして、秋子と一希は、水面に映り、2人の姿がくっきりと映った。

一希は「なぁ?俺は前から秋子の事を気になっていて、好きになっていたんだ。その俺と付き合ってしばらく経つけど、俺達もそろそろ結婚しないか?」と秋子に尋ねた。

秋子が「ありがとう。やっぱりあの噂は本当なのね」と水面に映るというおまじないを信用した。

一希が「え?あの噂って、何だよ?」と秋子に尋ねると、秋子が「この川の水面に映った人は一生幸せになるって噂よ」と一希に噂の話をした。

一希が「へー、そんな噂があるのか?」と知らなかったのか納得していた。

頼子が「あー、私にも何か良いことないかな?」と頬杖を突いていた。

優が「ほれ、これ僕が毎日飲んでいるコーヒーだけど飲む?」と尋ねた。

頼子は、缶コーヒーを受け取って「あ、美味しい」とあまりの美味しさに目を疑った。

優が「だろう?僕が好きなだけあるよ」と声を掛けた。

頼子が「ね?良かったら、次の休みに一緒にデート行かない?」と誘った。

優が「良いけど、俊也も一緒じゃなくていいのか?」と声を掛けると、頼子が「どうせ、俊也は友達といるのが気楽でしょう?」と優に返事をした。

その話を俊也が聞き、「ふーん、俺が居なくてもいいんだ」と寂しそうにしていた。

俊也は、2人の様子を見て教室に戻って行った。

俊也には気になる女の子が居て、道枝だった。

道枝が「だーれだ?」と俊也の後ろから目を隠していた。

俊也が「わ、道枝だろう?」と話をすると、道枝が「ピンポーン、当たり」と笑顔を見せていた。

道枝が「元気ないね?どうしたの?」と俊也を心配して声を掛けた。

俊也が「それが、俺、最近、誰とも遊ぶことが無いからつまらなくてさ」と飽き飽きしていた。

道枝が「へー、やっぱリア充なのかな?」とちょっと驚いていた。

俊也が「そうみたい?じゃ、今度俺と遊びに行こうぜ」と道枝に話を振った。

道枝が「良いけど」と俊也に返事を返した。

俊也が「じゃ、決まりだな」と話し掛けた。

道枝と集まって、テーマパークで1日を過ごし、夕焼けを2人で見ていた。

その次の瞬間、頼子と優が観覧車に居たので、俊也が「やべー、同じ場所に遊びに来ていたのか?」と焦った様子を見せた。

そこで道枝が「どうしたの?焦っちゃってさ」と俊也の様子が気になって尋ねた。

俊也が「あのさ、知り合いの優と頼子が同じテーマパークに居るから、バレたらやばいなって思ったのさ」と道枝に話をした。

道枝が「大丈夫だよ。私達はお似合いのカップルなんだから、堂々としていればいいの」と偉そうに言った。

俊也が「だよな?俺も気にしないようにする」と道枝に感化された。

俊也は、道枝に指輪を渡し、「今、俺、指輪を買うお金が無いから仮にステンレスの指輪で我慢してくれ」とキラキラ光る指輪を渡した。

道枝が「ありがとう。私、大切にするね」と嬉しそうにして二人は仲良く、夫婦となり幸せになって行った。

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水面に映る 影山 みはつ @mihatsu1865

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