第2話 MODでチート実戦
MODコマンドを開いた俺は、直ぐに身体強化10倍のボタンを押す。スマホみたいな感覚で操作出来るから違和感なく操作できる。
(これが、バフというのものか?体が重力が無くなったように軽く感じる…)
拳を構え、正面へとパンチを繰り出すも、軽さで自分ごと持っていかれそうになる。
「スミレ?大丈夫だ。俺がお前を守ってやる」
俺は、そう言うとスミレの方へと首を回し様子を見るが、恐怖しているのか座り込みながらガタガタと体を震わせ硬直させている。
やがて、前方から馬二頭を先頭に少し大きめな木で出来た荷台には鉄格子がついた馬車が姿を表す。よく見れば、4人の人影を確認できる。柄の悪そうな上半身全裸の男3人と軽装の鎧に身を固めたリーダーのような風貌の男が乗っているが確認できた。やがて、その馬車は、俺達の目の前の直ぐ近くに止まりだした。
(やっぱり、スミレを捕まえに来たファスタリア奴隷商で間違いはないみたいだな…)
「おい!そこの全裸姿のような兄ちゃん?誰だかしらねぇーけど、そこどいてくんねぇかな?」
軽装で身を固めた男が荷台から勢いよく飛び出し、俺の前へとじわじわと威嚇した様子で、こちらへと向かってくる。
「聞こえてきただろ?俺は兄ちゃんの後ろにいる、その女の子に用があって来たんだよ」
「断る!と言ったら?」
「なら、力づくでも通るぜっ?野郎ども!!」
軽装の男が腰にぶら下げているロングソードを手に取り、上へと突き上げた。それと同時に、荷台の後ろにいた男3人も、勢いよく荷台から飛び出して、ぞろぞろとこちらへと向かってくる。その内の男二人は腰にぶら下げている曲線を描いた包丁のようなマチェストを手にとり出し。俺の方へと向けて来る。もう一人の半裸男も手に鉤爪のような物を持っているのが確認できる。
「力づくねぇ…」
俺は、男4人を見ながら、敵図鑑を確認する。
軽装の男のレベルは25。他の3人は20くらい。身体能力を確認もする。そして今の俺は、能力値10倍のバフが掛かっているため、俺の方が能力値的には上だ。ただし、俺は一度も戦闘なんかした事がないど素人…。しかも武器なんて物は持ち合わせてない…。俺は座り込んでいる少女を抱き抱える。
「ふぇ…?!」
「少し、辛抱してくれよ?絶対に守ってやるから!」
「んっ…」
少女を抱き抱え、後方へと飛び上がる。脚力もかなり上がっているらしく軽く飛び上がっただけなのに大きく飛び上がる事ができ、男どもから6メートルくらい離れる事ができた。
「なっ、なんだあいつ!?身体能力の付与持ちか!?」
俺は、後方へ飛んで着地した時に、たまたま目の前に頑丈そうな鉄の棒のような物を見つけ拾う。そして、拳ぐらいの石が数個置いてあるのも確認できた。走りながら向かってくる男に、足元に集めた石を目掛けて投げる準備をする。
「そんな石ころで何ができるんだよっ!」
「むだむだむだぁっ!!ヒャッハァー」
石を持つ手を大きく振りかざし投げつける。一瞬の出来事で俺も驚いたが、石の速度はどんな野球選手すらも越えるような速度で男の足を目掛けて飛んでいく。
「へっ!?」
俺は、呆気ない声がでてしまった。声が出たと同時に男が…。
「ぎゃああああっ!!」
投げた石は、男一人の左膝にぶつかり、少し後ろへと飛んでいく。
(いや、そこまでやるつもりはなかったんだが…)
もう一人が、俺の所へと向かって来ている。俺は前へと飛び出し、手に握りしめている鉄の棒を男の足に目掛けて大きく横払いをする。
「ぐげらぁああああっ!!」
これもまた、男は勢いよく後ろへと吹き飛んでいく。二人とも、痛さでかなり踠いている。みたいだ。まじで痛そう…。
「な、なんだあいつは!?許せねぇっ!!スザッコはここにいろっ!俺がケリつけてくるっ!!」
その様子を見て、軽装の男は大声を張り上げながら孟スピードで俺の方へと突っ走ってくる。俺は、足元にある適当な石を手にもち、野球をするように軽装の男に向かって石を棒で当てる。
最初は当たらないが…。次に打ち飛ばした石が軽装の男の胸元に当たる。先ほどの男みたいに吹き飛びはしなかったが…。
「ぎ、ぎざまぁああああっ!卑怯だぞっ!」
「い、いやいや!あんたらの方が卑怯だろっ!?」
「う、うるせぇ!!」
軽装の男は胸元を押さえながらも、ヨタヨタしながら駆け足で、まだ突っ込んでくる。
「んじゃあ、もう一球~っ!」
俺はそう言いながら、また石を打ち付ける。石は軽装の男の右膝にぶつかる。衝撃で、後方へと吹き飛ぶ…。
「くそっ!いてぇええよっ!」
軽装の男は足が折れたのか、かなり痛そうにして踠いている。そして、気を失ったかのように倒れこむ。どうやら失神したみたいだ。
最後に残っている鉤爪の男の一人は、他の全員が倒れているのを見て、少し驚いてしまっていた。見ると、表情がひきつっている。
「ゆ、許してくれっ!!手を引くからっ!」
何故か、命乞いをしているし…。
「それじゃあ、まずは、武器をおろせっ!」
俺がそう言うと、男は手に身に付けている鉤爪を取り外し、地面に投げ作る。
「それじゃあ…」
俺は、MOD画面を開き、アイテム自動収集のボタンを押す。すると、その場にいる襲ってきた男の身に付けている物や服等が全て消える。失神している軽装だったの男の服も全て消えて、そこにいるのは全裸で横たわる男になっていた。
「へっ?!」
「な、なんだこりゃ!!」
鉤爪の男については、服装は着たままでそのままだったが、鉤爪は見事に消えていたスミレの方を振り向くと、どうやらスミレは大丈夫みたいだった。
(消えた服はどこに…?!)
もしかするとと思い、コマンドを呼び出しアイテム欄を確認する。すると、襲ってきた男どもが身に付けていたであろう武器や服等が表示されていた。
そして装備コマンドを開き、男どもから取った装備を身に付けていく。
E ロングソード
E 鉄の胸当て
E フード付きマント
E ショートナイフ
俺は、装備を確認しおえて、一人残っている男の元へと向かい…。
「お前達の拠点…、ファスタリアは何処にある?」
「は、はいっ!!この先の向こう…。1日くらいかかる場所にありますっ!」
「そうか!分かった。もう行ってもいいぞ。馬車は置いて行ってもらおうか!じゃないと…」
「は、はい~っ!!わかりましたぁぁっ!!好きなだけ使ってください!どうぞどうぞっ!!」
そう言うと、一人の男は軽装だった男を担いで、ヨタヨタと千鳥足で歩き始め、一番元気だった男は走りながらファスタリアの方角の道へとそれぞれ逃げ出して行った。
まだ怯えているスミレの状況を確認して、俺は優しく手を差しのべる。
「もう安心だ。大丈夫か?」
「んっ…。ありがとう…。ケントさんはまさに勇者様…」
「へっ!?いやいや!俺は勇者でもなんでもないよ」
(勇者はスミレ…。お前だぞ…)
そう。勇者はスミレ。この道をファスタリアとは逆方向に向かえば、海や河で囲まれた水の都市グラモウディーズがあるはず。俺が作ったなら一応、その都市はマカロンから取った名前で、イタリアをモチーフにしてみた都市だ。
最初の都市で、そこから冒険者教会の検査で彼女は勇者の称号が分かり、運命のまま世界を救っていくって流れだ。もしここの世界が『フィール ブレイブ ファンタジー』の世界ならの話だが…。
「この先を真っ直ぐ進めば、多分だけど大きな街に行くはず。まずはそこに向かおうと思うけど、嫌じゃなかったら一緒に来ないか?」
「んっ…。喜んで付いていく!」
スミレは無表情で答えるが、どこか嬉しそうに目を輝かせながら、そう答えてくれた。
俺達は奪った!じゃなかった。もらった馬車に乗り、ごとごとと道の悪い土道をファスタリアとは逆方向に真っ直ぐ進んでいく…。
まさか、この時、俺が作り上げた彼女達の運命に定められたルートから外れ予想できない未来になっていくなんて予想もしなかった…。
異世界転生したゲーム製作者はチートMOD使い?! ~自作ゲームの世界でMOD操作して最強になった製作者~ ねればる @aoihito417
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