第23話 優斗~愛しい妹~

俺の本当の母親は…俺が1歳半頃に事故で亡くなったと聞いている。

陽斗叔父さんが運転する車で、ジジ・ババの家に来る途中だったらしい。


俺が2歳になる頃、親父は芽衣さんと付き合いだした。2人は幼馴染だっていう話。


その1年後に婚約して半年後には入籍していた。

それと同時に芽衣さんの妊娠発覚。

俺は当時3歳と半年。


4歳になった頃に誕生した異母兄妹。妹はとても可愛くて…『姫』だった。

これが今の俺の家族。



芽衣さんは俺が生まれた時から、俺を可愛がってくれていたので母親と急に言われても抵抗はなかった。

それに親父の溺愛っぷり。


本当の母さんが見たらきっと怒り狂うだろうな。と…言っても、母親の記憶はないから…実際にどうかはわからない。



妹…姫乃は泣き虫で寂しがり。俺の後ろをいつもヒヨコみたいにくっ付いてくる。

そんな妹が俺の居場所でもあった。


妹だけが俺を必要としてくれている気がしたから。

親父や芽衣さんからしたら、俺は邪魔なんじゃないかと思った事も結構ある。


俺は近所に住むジジ・ババの家に入り浸る事が多かった。子供心に、邪魔しては悪いかなって思ったから。


そして…もう一つの理由。


愛しい妹。

最初は姫乃が俺に依存しているんだと思ったけど…実は俺の方が依存していたんだ。


それに気が付いたのは…俺が17歳になった時。

姫乃はまだ13歳なのに…俺は…妹の中に女を見てしまったんだ。


凄く恐ろしい感情。


異母とはいえ半分は血を分けた兄妹。この邪悪な感情を抑える為に家から離れる。


認めるわけにはいかないだろ。妹に恋をする兄なんて。


だから…俺は高校を卒業すると、家を出た。

これは…俺の最大な秘密。俺の出生の事実を知るまでの…。



それは、また違ったストーリーかもしれない。






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オサナナジミ KOMUGI @mugiko4

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