探し続けた男

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そうして彼は満たされた。

 前世は普通の虚無だった。努力ができるのにせず、贅沢な時間を目先の娯楽で消費して、やるべきことだけをして死んだ。

 そして私は転生したのだ。

訳がわからない、こういうのは普通やり残した人間に起きることではないのか?

自分でいうのも奇妙だが私は人生を終わらせた人間だ。やるべきことは全て完了した。後腐れなど無く、立つ鳥の如く私の人生を終わらせた。

 では私は何のために転生させられたのだろうか。

わからない


転生してから暫くが経った。

 私の使命は、まだ、わからないでいる。

 分かったのはこの世界のこと、剣と魔法の世界は終了していて、魔物は家畜になっていて、元の世界の史実のように大航超海時代が始まっていた。きっと金を払えば旅が比較的気軽にできるのだろう

 

 日々罪悪感に蝕まれる。

 そして今も

(転生させられたのに毎日同じことをしていていいのか?

(使命を探さなくて大丈夫なのか?

(これでは前世と同じなのではないか?

何をやっても楽しくない。

まんじりとした虚無感に覆われている。

(いつか使命を果たしたのなら何かを真に楽しめのだろうか

 頭の中の妄想が囁く

「貴方には使命があります。さあ、いまこそ剣を持って、銃を持って立ち上がりなさい!」

 けれど私は動けない、寝っ転がって何も考えない。

これでは前世と同じだ、私は身体に喝を入れる何かを求めていた。

そしてそれは宿賃不足というものによってもたらされた。


 歩いている。無心で歩く、何も視界に映さず無心で。

なにも考えずにいるのが楽なのだ。

 そうして私は空腹に倒れ、人生が三周目になる前に助けられたのだ。私の導に。


 彼か彼女が言った、

「探せよ!生きる意味がないんなら探せ、探して探して探した果てにお前は己の使命に出逢うだろうよ!

「そうしてお前は言うんだ!「きっと私はこのために産まれてきたんだ!」と

 それを聴いたわたしは旅をした。何かを探すために、私の使命を探すために。


 ある団体に出逢った。その団体は神に積極的に信仰を捧げており私に使命を啓蒙してくれた!

 私は彼らからもたらされた使命に従い続け、充実した毎日を過ごしていた。

 しかし幸せな時間は続かず、

 ある日、私が所属していた団体は滅ぼされた。

滅ぼした彼は言った。

「旅を続けるのだ、このような人造の使命ではなくほんとうの使命を知るための旅を!」


 私は探す旅を再開した。

 色々な人に出会った。

熱血の死体や深海の波濤体、果ては一期一会の殺人鬼にさえも。

使命は見つからなかった。

 色々な場所に行った。

哭海原、塵蓋人の火口、極夜城跡...

生きる意味は見つからなかった。

 けれども私の使命には、私の運命には巡り会わなかった。巡り会わないまま命が尽きようとしている。


 しかし思い返すと楽しかった、きっと私は真に楽しめたんだ。

 「ああそうか、私の意味は、私の転生した使命は.........

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