囚われのリスは強く生きる
窓から差し込む光に照らされ、ふと意識を取り戻す。どうやら俺は、あのまま意識を失って寝ていたのだろう。
「っ……!」
目を開けると、すぐ近くに
俺を挟んで逆側には
そして
「っ……あの、
「んっ?
「離れろっ……!」
「あっ……ぅ~……」
「
「えっ? 全然足りないけど?」
「ひぇっ……」
「知ってる? ヘビの交尾って、長いと24時間とか続くんだって……私達途中で寝ちゃったから、せいぜい2、3時間ぐらいでしょ?」
「24時っ───死ぬわっ!」
「死なない程度に搾り取ってあげる……♡」
目を細め、欲を煽るように舌をペロリと見せる
「っ~~! と、ところで
「
と、ちょうどそのタイミングでドアが開く。そこには、シャツ一枚
「あら、おはよう、
「あ、あぁ、おはよう……」
「あっ、ごめんね
「いや、いいけど……チャレンジはしたんだ……」
「あっ……ハル、
「言わなくていい!」
「本当? じゃあ続きしてあげるわね……♡」
「
「……ふふふ。
「……今の笑い方がちょっと怖かったけど、ありがとう……」
トレーを机に置き、
「美味しい……
「いつもやってるから……」
「あたしも一つもらうわね」
「えぇ、どうぞ」
砂糖とミルクを多めに入れてかき混ぜる
朝のコーヒーを『美味い』と感じるなんて、心身ともに大人になった気分───
「じゃなくて! 今時間は!?」
「8時半だけど……?」
『何を当たり前のことを?』とでも言いたげに、
「いやっ、遅刻確定!」
「今さらでしょ。昨日の時点でそのつもりだったし」
甘くしたコーヒーをチョロチョロと少しずつ飲む
あれ……学校の心配をしてるのは俺だけ……?
「だいたい、ハルだってそんな状態で学校行けないでしょ。その……そこまでいやらしい匂い付けてると、獣人じゃなくても分かるわよ」
「ご、ごめんなさい……
「言わなくていい! というか俺記憶ないんだけど!? 俺何したの!?」
「何って……それは───」
「いやっ、ごめん。言わなくていい、今のは俺が悪かった……。ハァ……とりあえずシャワー貸して……って、そういえば
「……大丈夫、数日家を空けるって言ってたから、明後日まで帰ってこないの」
「あっ、そうだったんだ……」
「あたしは知ってたけど……というか、じゃないとここまでしないでしょ」
「いや、まぁそれはそうなんだけど……なんだか悪い気がして」
「……どうして……?」
「本来はもっとこう……時間をかけて仲を深めて、雰囲気になったらって感じだと思うんだよね。獣人の本能とはいえ、襲いかかるような真似を……」
「襲いかかったのは私だから……
「そうよ。あたしだって合意の上だったんだから。そもそも、肉食獣と草食獣って立場も覆した、本物の愛だと思うけど?」
「け、けど、俺の気持ちが収まらないから、その……もし
「ハル……!」
「
「ちょっ、危なっ……!」
ギュッと抱きついてきた
しかも
「急に男らしいこと言うじゃない、ハル♡」
「責任……なら結婚してくれる?♡」
「先輩、それ私もですよね……?」
「くっ……兄妹なのが悔しい……!」
「あ、
話し声で起きたのか、布団から出てきた
「ねぇ、先輩? 私の腰を撫でるだけじゃなくて、【ピ──】に【ピ──────────」
「わぁぁぁぁっ! 待て待て待て、分かったから!」
「あっ、思い出しただけでまたっ……♡」
恍惚な表情を浮かべた
俺は再び、本能的な恐怖に襲われた。
ふと他の子を見渡せば、
「えっ、あの…………まだ続ける気ですか……?」
「何か勘違いしてるようだけど……ハル、一回したら終わりだと思ってない?」
「発情期って3日から一週間ぐらいは続くから……その間は疼きが止まらないのよ?♡」
「それに、先輩ってすごく上手なんですね……私もう先輩じゃないとダメみたいです……♡」
「昨日はあれだけすごかったのに、今さら怖じ気づいたは無いでしょ? お兄♡」
「ちょっ、待っ───ほらっ、家の人が帰ってくるかも知れないし!」
「明後日までは帰ってこないから♡」
「
「許可はもらったわ」
「私もです!」
「ちなみに、私とお兄も連絡済みだから」
「えっ、嘘───」
「ふふ……今日は学校休んで、一緒に楽しみましょう、
「ちょっ、待っ……アッ───────!」
ダムが決壊したように、4人にもみくちゃにされる俺。
普通に捕食されるより、むしろキツい生活が始まった…………のかもしれない。
─────────────────────
あとがき
生徒会長さん、ごめん……上手く活かせなかったよ……
肉食『獣』系の美少女たちは、草食『獣』な俺を食べる気満々らしい 風遊ひばり @Fuyuhibari
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