いただきます……♡
ピンポーン!
ガタンッ! ガタガタッ、バタバタバタ!
俺がインターホンを鳴らした途端、家の中からドタバタと慌てたような物音が聴こえてくる。
いきなり家に入るわけにもいかず、待つこと数十秒。インターホンを通して聴こえてきたのは、
『どなたですか……?』
「
『っ……! すぐ行くからちょっと待ってて……!』
そう一言残してインターホンが切れ、玄関を隔ててこちらへと向かってくる足音が聞こえてくる。ガチャッと鍵が開けられ、玄関がゆっくりと開き───
「お待たせ、
「っ!?」
その瞬間、俺は本能的な恐怖に襲われて身体を硬直させる。
そんな獣人としての本能とは裏腹に、男としての本能が、この場から逃げ出すことを拒否していた。
玄関を開けて姿を見せた
白い素肌は赤く上気し、なんと言うか……どう見ても
俺はゴクリと唾を飲み込み、思わず彼女に魅入っていた。
「せ、
「
「えっ───っ!?」
瞬時に下がろうとするも、時すでに遅し。あっという間に捕獲された俺は、
薄いシャツ一枚隔てただけの
「おとなしくしてて……?」
「いやっ、ちょっ……」
抵抗空しく、連れてこられたのは
「っ……!?」
甘ったるいような匂いに包まれ、ゾクリと身体を震わせると同時……視界に飛び込んできたのは、乱れた衣服で何とか身体を隠そうとする
───いや、マジで君達何してたの!?
「ハ、ハル!? 来ちゃダメだって言ったでしょうが!」
「いやっ、
「それで女の子の部屋に押し入るとかあり得ないっ!♡ お兄のバカッ!♡」
「これは不可抗力でっ、
「いいの……私達が今、一番欲しかったのは
「欲しい? 何を言って───ぅわっ!」
「ちょっ!」
「きゃっ!」
仰向けに倒れた俺を、
「せ、
「
「えっ……?」
「発情期♡」
「えっ───はっ、えっ!?」
「今年はすっごくて……
吐息を漏らすようにそんな言葉を口にしながら、馬乗りになった
目が釘付けになる俺の目の前であっという間に全裸になった
「んむっ!?」
俺の顔は、彼女の胸に埋まることになった。
「オモチャを使っても
なんだかすごいことを口走りながら、
「ねぇ、いいでしょ……?♡」
「プハッ……!」
ひとしきりマーキングして満足したのか、ようやく身体を離す
彼女の細指が俺の身体に触れたと思ったら、今度は俺の服を脱がしにかかった。
「いやっ、さすがにそれはっ……!」
「どうして……?
「ダメぇっ!」
叫んだのは
「み、
「んぅっ♡」
───ってない!?
直後に口を塞がれた俺は、一瞬遅れて状況を理解する。
見えないほど近くにある彼女の顔、脳を揺さぶるような良い匂い……何より、非常に長い
───
「んむっ、んっ♡」
「んぐっ……っ~~!」
離そうにも、背中と後頭部に回された
次第に、酸欠と初めて感じる艶かしい感触で意識がぼんやりしてきたところで、ようやく
「っ~~!」
俺の口から彼女の舌がズルルッと引き抜かれる感覚にゾクゾクと身体が震え、そんな俺の姿を見て、彼女の笑みを深くして熱い息を漏らす。
「んっ、はっ……あたしが『最初にする』って約束してたの、忘れたわけじゃないわよね、ハル?♡」
「ハッ、ハッ……」
「その約束、今から果たしてもらおっか♡」
熱に浮かされた表情のまま、
「先輩、そんな約束してたんですか……?」
身体の芯から凍てつかせるような声が、俺の耳に届いた。
見れば、身体を起こした
「ねぇ、先輩?」
「ひっ……」
「そんな約束、したんですか?」
「いやっ、その───」
「先輩、私の背中とか腰とか撫でてくれましたよね? それ、ウサギにとっては求愛行動……いえ、もはや交尾なんですよ。私、先輩に気持ちいいところを刺激されてメスにされたんですよ? 赤ちゃん作る準備してたんですよ? ほら───」
抑揚のない声で言葉を連ねる
【表現規制】
まぁとにかくすごいことになってる。
「先輩は私を愛してくれたと思っていたのに、私は先輩を好きになったのに……私じゃダメなんですか? ねぇ、先輩?」
「
「あはは、そっかぁ……先輩は皆のことが好きで、皆を手に入れるつもりなんですね?」
「あ、
「───じゃあ私も……無理やりにでも、先輩を私のものにしますね?」
「っ……!」
女の子とは思えない強さで腕を押さえられた俺は、抵抗すら許されず服を剥ぎ取られる。
このままではまずい、発情期でおかしくなってる……。何より、『ちょっと良いかも』と思ってる俺がいるのがまずい。
頼みの綱は
「お兄、この状況を『悪くない』とか思ってるでしょ。女の子を3人も手籠めにしようとかサイテー♡ お兄は私のリードだけ握ってればいいの♡」
そんな言葉と共に俺の手に握らせてきたのは、一本のロープ。
その先は
あっ、終わった(察し)
正面からは
獲物を狙う肉食獣の目が俺の脳裏に刻み込まれ、視界が肌色で埋め尽くされる───
───それが、俺がこの日見た最後の記憶だった。
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