お見舞い
帰りのホームルームが終わり、クラスメイトもまばらに解散していく。
『カラオケに行く』だの『ス◯バに行く』だの口々に話している中に、
三大……いや、
それほどに人気のある
「
俺が言い切るよりも早く、
『何を言い出すんだこいつは』とでも言いたげな表情だ。
「えっ、俺何か変なこと言った?」
「いや、そういうわけじゃないけど……ハルは来なくてもいいんじゃない?」
「なんか酷くない!?」
「ち、違うわよ! ハルを拒否してるとかじゃなくて……」
今はハルも落ち着いているように見えるけど、ハルも発情期に入りかけてるのは匂いで分かる。
そんな状態で、発情したメス猫───
できれば今の
「拒否してるとかじゃなくて……?」
「ほ、ほら……風邪とか移ったらダメじゃない?」
「うーん、まぁそれはそうなんだけど……」
「でしょ? あたし一人で行ってくるから」
「……その理論で行くなら、
「あたしは大丈夫なの! ヘビだから!」
「なにその謎理論……
「んぅっ……ちょっ、あんまり近づかないで……///」
「……やっぱこれ、俺拒絶されてない……?」
「違っ……ハルのこと嫌ってるわけじゃないから! むしろ好きすぎるからこうなってるだけで……」
「えっ───」
「こんな人の多いところで不純異性交遊とは感心しないな、
ふいに背後から聞こえてきた声に、俺と
「
「べ、別に変なことしてないからっ……!」
「フフ……冗談だ。君達の場合は同意の上だろうからな。ただ、それ以上は学校ではやってくれるなよ!」
「「しません!」」
俺と
「と、ところで……
「そうそう、
「良いじゃない、ハル。
「み、
グイグイと俺の背中を押し、
どうしても俺を
「はいはい、分かりましたよ……手伝います、
「助かる。こっちへ来てくれ」
嬉しそうにパァッと笑顔を咲かせた
「それはこっちに頼む」
「はい」
「ふぅ……」
「ありがとう、
休憩を入れた俺は、
「そういえば
「うん?」
「時々こうして俺に声をかけてきますけど、どうしても俺なんですか?」
「あぁ、そのことか……実はな、
「えっ……生徒会に……?」
「いや、別に俺は特別何かができるわけでも───」
「いやいや、
「人を惹き付ける魅力……」
「うむ。……現金な話をするなら、君をこちらに引き入れたら、自動的に女子4人もついてくるだろう?」
「それが目的ですか……そんなに人を集めてどうするんですか……」
「どうするって……彼女達は可愛いだろう?」
「可愛───えっ? それだけ?」
「いやいや、意外に重要なのだぞ? 生徒会とは、生徒の代表でなければならない。あれほど神秘的なまでに見目の良い彼女達が集まれば、自ずと神聖視されるだろう?」
「な、なるほど……いや、そうなのか……?」
勢いで騙されそうだけど、見た目が良い子を集めたいだけなのでは……?
「まぁとにかく、私は……生徒会は
「か、考えておきますね……」
全ての作業が終わり、
生徒会か……さすがに俺には荷が重いかなぁ……。
学校を出た俺が次に向かったのは、
……
来る途中で買ったスポーツドリンクやゼリー飲料が入ったビニール袋を片手に、
ピンポーン!
ガタンッ! ガタガタッ、バタバタバタ!
俺がインターホンを鳴らした途端、家の中からドタバタと聴こえてくる、数人が慌てて移動するような足音。
な、何があったんだ……!?
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