依頼完了と三人の男とラナスの恋と
ここはベティナの町にあるギルドの外側。この場所にはラナスがいた。
(これで用は済みました。あとはリルナステファが依頼を受けてくれるかだけですね)
そう言いラナスは目を光らせ、ニヤリと笑みを浮かべる。
そうあれからラナスはギルドにくるなり受付へ向かった。その後、受付嬢にリルナステファへの依頼をお願いする。
それを聞き受付嬢は書類を持って来てラナスに渡した。
ラナスはその書類に依頼内容と誰に依頼するかを記載する。記載が終わるとラナスは受付嬢に渡した。
書類を確認すると受付嬢は印を押し受理する。
その後ラナスは手続きを済ませるとギルドの外へでた。
そして現在ラナスは町の外へ向かい街路を歩いている。
(はて? 誰かが、あとをつけてきます。ギルドからのようだけど……何者でしょうか? まあいいでしょう……町の外で相手して差し上げますわ)
そう思いラナスは不敵な笑みを浮かべた。
ラナスのあとをつけている者は三人。それも男だ。
そのことをラナスは把握している。それでこの余裕だ。
相当ラナスは腕に自信があるようである。
男たちはラナスから距離をとり、あとをつけ続けていた。
「おい、分かってんな」
「ああ……勿論だ」
「金になりそうだしな」
そう言い三人の男たちは、ひたすらラナスのあとをつけている。
★♡★
ここはラビアス草原。ラナスは町の外を出ると少し離れたところで三人の男たちに背を向け待ち構えていた。
男たちはそうとも知らずにラナスへと近づき声をかけようとする。
それを待っていたラナスは残像と共に姿を消した。
何が起きたのか分からず三人の男たちは呆然とする。
するとラナスは背後に、スッと姿を現したと同時に魔法を唱え三人の男たちに目掛け氷の刃を放った。
男たちは何がなんだか分からないまま地面に、バタバタと倒れる。
「死なない程度にしてあげたけど……貴方たち弱すぎるわね」
そう言いながらラナスは三人の男を見下ろした。
「ま、待て!? 別に襲おうとした訳じゃねえんだ」
そう言い大柄の男は上体を起こしラナスを見据える。
「じゃあ、なぜあとをついて来たのかしら?」
「俺たちは、ただ仕事をもらえねえかと思って……あとをつけただけだ」
「……それならギルドで声をかければ済むことだと思いますが」
それを聞き大柄の男は首を横に振った。
「ギルドで声をかけたら受付を通さねえとな」
「あーそういう事ですか。ギルドを通さなければ丸々依頼料がもらえる。ですが貴方たちにやって頂くような仕事はありませんよ」
「護衛もか?」
そう言い大柄の男は目を潤ませラナスをみる。……どうみても可愛くない。
「必要ありません。主の屋敷には選りすぐりの魔導師が揃っておりますので」
「そうか悪かった……諦めるよ」
大柄な男はそう言いながら伸びている二人の男を起こそうとした。
「待って! 気が変ったわ。ただ夜間の仕事になります」
「ああ、それで構わねえ。それで、どんな仕事なんだ?」
「屋敷に入れることはできません。ですので屋敷の外まわりの警備をお願いしたいのですが」
そう言ったあとラナスは依頼料と屋敷のことを説明する。
「なるほど……あの屋敷か。まあ依頼料は申し分ねえ。恐らく伸びてるコイツらも文句はねえと思う」
「それでは受けてもらえるのですね」
そう問いかけると大柄の男は頷いた。
それを確認するとラナスは持っていたお金の中から三人分の前金を支払う。
大柄なの男は前金を受け取ると寝ている二人を起こした。
起こされた二人は大柄の男とラナスから説明を受ける。
その後、ラナスは紙を取り出し契約書を作成した。それを三人にみせ書かせる。
三人は契約内容を読み自分のサインをした。
因みに大柄な男はカイノス・バルンであとの二人はザルべとモルガスだ。
どうでもいいことだがカイノスは三十歳である。
記載が終わったことを確認するとラナスは三人の契約書を回収する。
そのあとラナスは三枚の契約書を魔法で複製をした。すると魔法陣から三枚の契約書が現れる。
複製した契約書を三人に渡した。
だが三人の男たちはラナスの魔法が凄すぎて呆然としている。
「何を呆けているのですか!?」
「はい! あ、いやあ……すまねえ。余りにも凄い魔法でみいっちまって」
「まあいいでしょう。では今晩からお願いしますよ」
それを聞き三人は、コクッと頷いた。
その後カイノス達は町へと向かう。
それを名残惜しそうにラナスは見送る。
(はぁ……不覚だわ。まさか、あの男に……)
そう思いラナスは魔法を唱え残像と共にこの場から姿を消した。
白き魔女と黒き女剣士の日常 ミケネコ ミイミ♪ @myimi
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