第10話

スッと耳元に顔を寄せたリトくんの唇が耳朶に触れて、ビクッと肩が震えた。


直後、フッと吐息が耳管を撫でる。


「どれだけ鳴いても……喉、痛めたりなんてしない」


囁きに、弾く様にリトくんから体を離す。


「リトくんっ、」


責める私を、優しくて……意地悪な目が見下ろしている。


さっきから寒さも忘れる位、体も顔も熱い。


もしかして……?


「リトくん、わざと?」


上目遣いの私を見下ろす目が、楽しそうに笑っている。


「ユナを温める方法は、ユナが考えてるコト以外にもあるってことだよ」


ははっ、と声を出して笑うリトくんが憎らしくて、その頬をもう一回捻ってやった。




「温める方法」

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Sweet Home 真弥 @09013562894

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