第2話

「おめでとう〜!ございまー〜〜す!!! 貴方は3000万人目の焼死者でしたので〜! 転生を〜! する権利を〜! 授けまーーーす!!!!!」


1面真っ白の不思議な部屋に、女性の綺麗な声が大音声で響き渡る。

見渡せば広大な真っ白な空間しかなく、果てとゆう概念すら存在しない別次元なのだとわかる、その真ん中にたった2人ポツンと人がいるとゆう状況は、ある視点から見れば異質ではあるが、またある視点から見れば正常に世界進行されていると認識するだろう。

大声で叫んだ女性は栗色の髪を腰まで伸ばした同じく栗色の目の活発な印象を受ける美少女、歳の頃は16歳といった所だろうか?

あくまでも見た目の年齢でしかないが。

さて、状況を理解しているはずもない少年は目をパチパチと瞬かせて、首を傾げる。


「あなたは、だれですか、??」


「?? なんだか反応薄く無いですか〜?? 私は愛と戦争と執着の女神、アスタモロスちゃんと申しま〜す!! アスちゃんでもモロちゃんでも好きなように呼んでねー??? 」


「あ、はい、」


完全に気圧されている少年、奴隷根性の染み付いた目にはビッシリと恐怖が張り付いていて、「いまいち状況は分からないけど目の前の女の人が怖いのだけは分かる」とゆう感じの顔をしている。

まぁそもそも、奴隷になる前もなった後も悲惨な人生しか経験していない少年だ、来世だとか転生だとか、そうゆう概念すら知らなくても不思議はなかろう。


「えっと、アスちゃんさん、僕は、何をすればいいんでしょうか、、?」


「んんー??? 何もしなくていいですけど、、そもそもなんの話しをしてます?今」


「え、あの、僕の事を買ってくれた人、ですよね、???」


「いや違いますけど??」


どうやら少年は自分が死んでしまったことすら覚えていなかったようだ。

女神アスタモロスの困惑顔は実に絵になるが、その実なにか面白いおもちゃでも見つけたかのような目には恐怖を覚える。


「うーーん、そうですねぇ〜? まぁ暇ですし? 1から説明してあげますかぁ〜!!」


「、、??? えと、お願いします、??」


女神によるご高説は実に6時間にも及んだ。





ーーーーー





「えと、つまりどうゆうことでしょう、、?」


6時間の説明の末、「全く分からない」から「よく分からない」とゆう進歩したのかしてないのか微妙なところまでは漕ぎ着けた女神アスタモロス、その顔には分かりやすく疲労の字が浮かんでいる。

そりゃあ同じような話を幾つも幾つも違う例え話で説明すれば疲れもするだろう、最終的に「転生ってゆうのは小麦粉からパンを作った、このパンのことを指すんですよ〜?」っとゆう正しいようで微妙に的はずれな教えを叩き込んだあたりで諦めていた。

女神に疲労を感じさせるほどの無知、ある意味で才能なのかもしれない、、そんなわけないか。


「ああ、もういいです。 取り敢えず転生の意味だけ理解しましたね??」


「はい、えと、、新しく、生まれる、?んですよね」


本当に分かっているのか聞いたのをそのまま言っているだけなのかは定かではないが、一応あっている。


「なんか分かってなさそうですね、まぁいいですけど! それじゃあこれ以上説明しても理解してくれなさそうだし、パッパと義務だけ済ませて送っちゃうますね!!!」


「あ、はい!!」


ようやく話が進みそうである。


「と言っても要望聞いてそれ叶えて送っちゃうだけなんですけどね〜!! 今世でなんか、後悔したこととかあります? こんな人生がいい!とか、こんな力が欲しい!とか、こんな死に方は二度とゴメンだ!みたいなのでもいいですよ?」


「え〜っと、、あの、なんでもいいんでしょうか、??」


「ええ!ある程度は叶えて差し上げましょう!! なんせ神ですから!!」


無い胸を目いっぱい張って主張する女神、その行動だけを見ればそれはそれば純粋な少女のように見えるが、濁った本性を知っていればこの薄汚い仮面の裏が見え透いていて吐き気くらいは催すのではないだろうか?

とはいえ、そんなこと知らない少年は一生懸命に考える。

少ない人生経験、辛い事ばかりでどれをどう望めばいいのかもよく分からないとゆう顔。

数分ほど悩んで、少年はいくつかの願いを思いついた。


「えと、お腹いっぱいご飯が食べたいです、毎日! あと、あんまり他の人と関わりたくないです、、怖いので、、あと、死んじゃうのは怖いので、出来れば死にたくは無いです、! あとあと、、辛い思いをしてる、同じような環境の子? を、守ってあげられるような、人になりたいです、!!」


「ふふ、なかなか強欲ですねぇ〜? いいでしょう、全て叶えて差し上げましよう!!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

焚べられ少年、ほんわか農家 @hukussnn0810

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ