あの野郎また休みやがった

白川津 中々

◾️

目醒めて扁桃腺に軽い痛みが走っている事実に絶望を感じつつも休むまでではないなという状態で誠に億劫ではあるが出社するしかないかいやしかし腐るほど有給あるうえに夏季休暇も取ってないな休もうかなと布団の中でもじもじ動きながら「とりあえず起きあがろう」と力を入れるも「やっぱりなー」と断念しひとまずスマートフォンでも見るかぁと思って充電器から持ち上げるとメッセージを受信していたからなんだなんだと確認してみたら同僚から「今日休むんでめっちゃ体調悪いんで業務巻き取りお願いします」とあり溜め息と共にベッドから離れて即席茶漬けを食べながら「仕事行きたくねぇよ」と一人壁の薄い部屋で嘆いているのが今である。



あいついつもじゃん。



遅刻欠勤当たり前の末広君の事は信用していない。どうせ仮病で今頃お布団の中ゴロゴロしているんだと想定。殺意。どうして平気でそんな事ができるのかさっぱり分からんが俺が被害を被っているのは確か。チクショウいつもこうだ。俺だって休んで一日中酒浸りで暮らしたいのに人のケツをふかされる。いや俺もクソみたいな事してた時あったからそれが巡り巡ってやってきてるのであれば仕方ないんだけども、しかしなぁ……




休みてぇ……




観念して着替えを完了し部屋を出る。心なしか熱っぽい。酒飲みたいとかじゃなくて本当寝ていたい。しかし休むわけにはいかなくなった。空いた穴は埋めなければならないからだ。人混みかき分け電車に揺られ今日も今日とて悲しい出勤。出社しても挨拶は帰ってこない。俺が一番早く来ているからだ。定刻一時間前を刻むタイムカード。どれだけ早く出社しても残業代は出ない。まぁ、いいよ、そこは。




……働くかぁ



PCを着け業務開始。

皆様おはようございます。私は元気じゃないけど元気です。

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