愛の棲家
御形は微かにだけ残る、赤い跡を指先でなぞった。
雛月が肌を吸い上げ、付けた内出血。
姿見の鏡に映るの御形の顔は、幼い頃から良く褒められ、広告塔としてメディアに顔を出して来た。
気に入られたいと、媚を売り擦り寄って来る人間は多かった。
雛月には距離を取られ、婚約中は手さえ繋がなかった。
稽古を付け指導する他に、御形は定期的に花を生ける仕事があり、料亭の玄関や特別室を彩っていた。
映画ドラマで花を担当した事もあった。
メディアの取材、講演会の依頼、海外の支部へ出張に行ったりと忙しい。
語学堪能で海外には、御形の友人が住んでた。
華道を知ってもらう活動に尽力した。
愛の棲家 うみ @umi_1087
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